「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」。大ヒットとなった映画「シン・ゴジラ」(庵野秀明総監督)は、現実の日本に、ゴジラという虚構をぶつけることで、日本人、特に組織の中で生きる人間に対して、自らの弱さ、強さ、そして「仕事」を、強烈に意識させる作品になった。各界のキーマンが、それぞれの立場からシン・ゴジラを読み解く。本連載を中心に関連記事を収録した書籍『「シン・ゴジラ」、私はこう読む』、好評発売中。
シリーズ
「シン・ゴジラ」、私はこう読む

完結
30回
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『シン・ゴジラ』に、JAL再生の稲盛氏を見た
企業の風土改革や事業再生、リーダーシップ教育を手掛けるセルムの加島禎二社長が、『シン・ゴジラ』からリーダーシップ、マネジメントだけでなく、ブランド再生までを語る。ゴジラ制作を引き受けた庵野秀明総監督に、JAL再生の稲盛氏…
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「死を超越した生き物」はゴジラ以外に実在する
「100度を超える体温の生物」「DNAが放射線耐性を持つ」「死を超越した生物」。映画『シン・ゴジラ』の中で、語られるゴジラの特性だ。実は自然界に、そのような特性を持つ生き物が存在する。大学で生物学を専攻する「虫好き」な筆…
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シン・ゴジラが壊す、アニメと実写の境界線
アニメーション出身の監督が実写映画に挑戦するも、これまでは失敗を繰り返してきた。なぜ『シン・ゴジラ』はヒットしたのか。新進気鋭、26歳の若手映画監督である中川龍太郎氏がブレークスルーの背景を解説する。
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「不完全」ゆえに拡散したシン・ゴジラ
「シン・ゴジラ」がロングランヒットとなった背景には「ネットによる拡散」がある。鑑賞者がソーシャルメディアを通じてつぶやき、新たな客やリピーターを生み出した。議論を起こす仕掛け。それは同作の「不完全さ」にある。
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米中韓の映像翻訳者「シン・ゴジラ」に挑む!
中国の観客から笑いを取りたい例の一つとして、「巨大不明生物特設災害対策本部(巨対災)」に召集されたメンバーたちに、リーダー役の厚労省森課長が言い放ったセリフを挙げて中国語字幕にしてもらった。
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ゴジラは日本人の「かい離」を背負っている
精神科医で映画好きとしても知られる名越康文氏。歴代のゴジラも見てきたファンとして、シン・ゴジラをどう見たのか。怒り狂うゴジラの精神状態など、精神科医ならではの分析も聞いた。
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ゴジラと「ジャパン・パッシング」
経済産業省にてアジア各国との経済連携(FTA・EPA)交渉に従事した経験を持ち、現在はコンサル会社の執行役員を務める筆者が、「シン・ゴジラ」から日本の外交問題を語る。
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音楽から“深読み”する「シン・ゴジラ」
役割として、絵空事を補強、補完するのが映画音楽だ、ということです。SF映画やアニメ映画は他の映画に比べて音楽の比重が一般に高いでしょう。映画音楽とは「エヴァンゲリオン」的言い回しをするなら「映像補完計画」なんです。
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立川の内閣府災害対策本部予備施設に行ってみた
「シン・ゴジラ」の中で、首相官邸など都心がゴジラの襲撃で破壊された後、緊急災害対策本部が移されたのが立川だ。ここには緊急災害対策本部の予備施設が実在する。どのような施設なのか。実際に記者が行ってみた。
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妄想:ゴジラが来た東京都はこう動く(後編)
パニックに陥る市民、殺到する救急や消防の要請――。自治体は有事の対応にどう動くのか。市民も知っておく必要がある。3.11発生後の東京都の動きを取材した筆者が、自治体の備えを解説する。
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妄想:ゴジラが来たら東京都はこう動く(前編)
ゴジラが上陸したら、どの機関が最初に対応するのか。国なのか、それもと自治体なのか。答えは自治体だ。では、有事に自治体はどのように動くのか。3.11の東京都の動きを取材した筆者が「ゴジラVS東京都」を妄想する。
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コンクリートの専門家が見た「シン・ゴジラ」
「シン・ゴジラ」で活躍するあの意外な車両。その勇姿は映画を見た我々の目に鮮やかだ。コンクリートの専門家である法政大学の溝渕利明先生、そして溝渕先生とコンビを組むイラストレーター、モリナガ・ヨウさんに、映画の感想を聞いた。
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ゴジラVSニッポンのITインフラ:ネット編
映画「シン・ゴジラ」ではゴジラが首都中心部を破壊したが、ここには日本のインターネット網の「心臓」部分がある。虚構が現実となった場合はどうなるのか。IT記者が専門家を直撃した。
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ゴジラVSニッポンのITインフラ:スパコン編
わずかな期間のうちに分子構造解析のプログラムを用意し、世界各地のスパコンにデータを配布し、分散して演算する…といったことは、現実には可能なのだろうか。リアルを追究したシン・ゴジラだからこそ、ここはリアルに考察してみたい。
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シン・ゴジラに見るテレビと映画の微妙な関係
日本の映画ビジネスを変えた!映画界の変わり目はあの作品だった! そう言える作品はいくつかあると思う。「シン・ゴジラ」は、十数年後に振り返っても、「あそこで何かが変わったよね」と言われる映画になるのではないか…
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シン・ゴジラがひらく、折り紙の世界
シン・ゴジラの中で、ゴジラを凍結するためのヒントとなったのが「折り紙」だ。日本古来の文化として根付く折り紙は今、「origami」として世界の最先端技術に応用されるようになった。映画制作に際して折り紙の資料を提供した筑波…
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ゴジラは庵野自身であり、現天皇でもある
文芸評論家の加藤典洋氏に聞いた。ゴジラとは一体?「色んなものでありうる。日本人の『無意識の器』みたいな存在だといってよい。でも、今回はこれに加えて、これまでにない新しい意味をもつようになった。なんだと思いますか?」
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シン・ゴジラに漂う「別世界感」の正体
『シン・ゴジラ』は日本で制作される29番目のゴジラ映画だ。制作が打ち切られていたはずだったゴジラはなぜ再び日本にやってきたのか。『さようなら、ゴジラたち―戦後から遠く離れて』(岩波書店)の著者で、文芸評論家の加藤典洋氏に…
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地図で徹底図解! ゴジラは上陸後、こう進んだ
ゴジラはどこに上陸してどのように進んだのか。データビジュアライゼーション(データの可視化)専門家の筆者が、情報をマッピングして可視化した。ゴジラが上陸して進んだ経路を「妄想」して分かったこととは。
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巨災対が示した成功するチームの作り方
「シン・ゴジラ」では、巨大不明生物特設災害対策本部、通称「巨災対」というプロジェクトチームが中心になって、ゴジラ鎮圧のための作戦を練った。この姿に、プロジェクトチームが成功するための要因が隠されているという。それは何か。
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