(撮影:竹井俊晴)

 今日のランチは、好物のタイカレーでした。

 立命館アジア太平洋大学(APU)の学食(カフェテリア)は、そこで飛び交う言語だけではなく、メニューも国際色にあふれています。

 2015年には「ムスリムフレンドリー認証」(ハラール認証基準を部分的に満たした認証)も取得し今年で3年目の更新も無事できました。イスラム教徒の学生にも安心して食事を取ってもらえるようになりました。

 もちろんムスリムだけではなくさまざまな宗教や文化を持つ学生、教職員がいますから、それぞれのリクエストにできるかぎり対応しています。

 APUにいる時、僕はほぼ100%このカフェテリアでランチを取ります。ほかにランチの場所はありません。それにおいしいし、安いし、なんといってもダイバーシティにあふれる学生がワイワイガヤガヤしてとても明るく心地のいい場所ですから。

 そうして食事を取っていると、大学生に混ざって小学生がウロウロしている姿をよく目にします。彼らは、大分県全域の小学校からやってきている子どもたち。なんと月に1000人、年間で1万2000人もの児童・生徒らが、APUにはやってくるのです。

 バスに乗って「下界」からやって来た小学生は、大学生に混ざって、まずカフェテリアで昼食を食べます。そして、例えば5人の国際学生に対して、英語でインタビュー。それが終わったら小学校へ戻り、インタビューした学生の出身地域を世界地図で探し、文化や歴史を調べる。

 こうした体験を通じて、腹の底から「世界にはいろいろな人がいるんだな」と実感できるのです。

 小学生のうちから机上だけではないリアルな「世界」に触れることができるなんて、なかなかすばらしい環境だと思いませんか。小学生が大学生をつかまえて、「Where are you from?」とたずねている姿にはじめは驚きましたが、今ではすっかり見慣れた光景でほほえましくなります。

 以前引率で来られた日田市の小学校の校長先生とお話しした時、「児童はもちろん、先生たちもこの活動をとても楽しみにしているんです」と言われていました。

 先生が英語や地理を勉強する必要性をどれだけ語っても、残念ながら子どもたちの腹には落ちない。

 しかし、自分とは違う肌の色を持ち、自分とは違う言葉を話す人たちにインタビューするというたった一度の体験が、彼らの「知りたい」「勉強したい」という気持ちに火を点けるのです、と。APUがその一助になっているのは、とてもうれしいことです。

 しかしこれは、小学生だけにメリットがある話ではありません。国籍や文化、宗教、そして年齢といったあらゆる属性の人間を混ぜることで、より一層豊かな多様性がキャンパスに生まれるのです。

APUの学食で提供しているカレーが「世界の出口カレー」として商品化された。APUをはじめ、立命館大学の生協などで購入できる