APUに、「賢者到来」

何とか公募要項が決定したのが2017年7月。すぐに募集をスタートし、同年8月末まで、出願を受け付けました。そして立候補20人、推薦人から推挙された84人、トータル104人のリストができたのです。
立候補された方は順次選考に入るとして、推挙された84人とのコンタクトが大変でした。まずはメールで連絡を取ったのですが、全く予想していないところに突然、「学長に推挙されています」と言われるわけです。みなさん相当、驚かれていましたね。
しかし、それでも前向きに検討してくださる方が多く、「ああ、この大学は愛されているんだな」としみじみ感じました。教育のみならず産業界、官界で国際的に活躍されている方たちが「APUは面白い。この学校ならチャレンジしてみたい」と思ってくれたわけですから。それはうれしかったし、自信にもなりました。
さて、メールでの意思確認の後、サーチファームによる面談を経て、我々が実際に会って話したのは5人。
5人のうち4人は大学教授の方々で、経済界からは出口さんだけでした。みなさん、本当に魅力的な方ばかり。2回の面談を実施して、最終候補者を総長に推薦したわけですが……10人の選考委員の気持ちはひとつでした。
「出口さんに、APUの学長になってほしい」
議論していた通り、学位や語学力を満たしていることよりも、「出口さん」がよくなってしまった。ジョブズが来てしまったわけです(笑)。
そして、吉田美喜夫総長と森島朋三理事長の協議もめでたく整い、出口さんを理事会に推挙いただきました。そしてついに、出口さんにAPUの学長になってもらうことになったのです。
第3代学長の是永駿さん、中国現代詩の権威ですが、出口さんの学長確定を聞いてそりゃ大変な喜びようでした。まさにAPUに「賢者到来」と。
なぜ、そうそうたる教授陣の中からではなく、「出口さんに学長になってほしい」と思ったのか。その理由は、次回お話ししたいと思います。
(構成/田中裕子)
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