(撮影:竹井俊晴)

 2018年3月下旬。学食をのぞくと、在学生が新入生に「APUの歩き方」を教える「Welcome Cafe」が開催されていました。

 学食の椅子や机を片付けたところにゴザのようなシートを敷いて、先輩一人につき、新入生5人ほどのグループをつくって、なにやらワイワイガヤガヤと盛り上がっている。どんなことをレクチャーしているんだろうと中に入ってみると、大学生活のコツや寮での過ごし方など、「天空」のキャンパスで生きる上で必要な知恵(ノウハウ)を教えているようでした。

 しかも、それだけではありません。

 上級生たちは、お箸の持ち方や「靴はどこで脱ぐべきか」といった日本の文化・習慣なども、新入生である外国人留学生(APUでは外国人留学生を国際学生と呼んでいます)たちに、丁寧に教えているんですね。自分たちにとって当たり前のことを、「当たり前ではない人」に伝えること。これも一つの「ダイバーシティ体験」です。

日本ならではのお箸の使い方なども先輩が教えてくれる(写真:APU提供)

 APUならではの光景に感心しました。

 APUに来る国際学生は1年目は寮生活を送るようになっています。日本の新入生も約7割が寮生活を選び、「APハウス」と呼ばれる学生寮で暮らします。

 「APハウス」のシェアルームは国際学生と国内学生が2人1室で共同生活するようになっていて、ここで学生たちは、自分と違う文化を持つ人と共同生活を営み、成長していくわけです。

 

 世界中から集まった国際学生と一緒に生活すれば、否が応でもダイバーシティに触れることができます。

 「ダイバーシティ」というのは頭だけではなかなか理解できない概念で、知識として持っているだけではあまり意味がありません。

 必要なのは、世界に多種多様な人がいると肌で感じること。実際の生活体験を通してそれを実感した時に、人は初めて心から寛容になれるし、自分の価値観とは違う思考体系を持つ他人を尊重しないといけない、ということが腹落ちするのです。

 僕は、若者がそんな環境に身を置くのに、APUほど最適の場所はないと思っています。山の上の「天空」のキャンパスには、本当に「小さな地球」が果てしなく広がっているのですから。