<span class="fontBold">宮内義彦(みやうち・よしひこ)氏</span><br />オリックス シニア・チェアマン。1960年日綿實業(現 双日)入社。64年オリエント・リース(現 オリックス)入社。70年取締役、80年代表取締役社長・グループCEO 、2000年代表取締役会長・グループCEO 、03年取締役兼代表執行役会長・グループCEO、14年シニア・チェアマン(現任)。著書に『私の経営論』『私の中小企業論』(日経BP社)など。
宮内義彦(みやうち・よしひこ)氏
オリックス シニア・チェアマン。1960年日綿實業(現 双日)入社。64年オリエント・リース(現 オリックス)入社。70年取締役、80年代表取締役社長・グループCEO 、2000年代表取締役会長・グループCEO 、03年取締役兼代表執行役会長・グループCEO、14年シニア・チェアマン(現任)。著書に『私の経営論』『私の中小企業論』(日経BP社)など。

 知らず知らずに本質的な課題から目をそらしているケースもあるでしょう。例えば、技術革新による業界の未来図を薄々は感じているものの、当面は今の組織や事業で利益を出せると考えて、なかなか大きな経営改革ができない、あるいは手をつけない例もありえます。しかし、企業の持続的発展よりも目の前の在任中の平穏を優先してしまうと、経営のかじ取りはぶれてしまいます。

 最近は上場企業の間で、経営者を監視するコーポレートガバナンスの動きが強まり、社外取締役を多く置く会社も増えています。ガバナンスの整備自体はいいことだと思いますが、ただ実際に社外役員が経営者の実行力を監視したり、改善できたりするのかと言えば限界があるように思います。

トップの仕事は外部から判断できない

 もちろん、社外の視点から経営トップに直言してもらう。あるいは異論を唱えてもらうといったことは必要でしょう。企業が決定的に危機的な状況に追い込まれたり、将来を左右するような案件を抱えたりした場合、経営トップ以外の社外取締役らの見解が大きな意味を持つことはあります。しかし、平時において社外取締役が経営者の日常業務を監視することはなかなか難しい。社内の日頃の業務の積み重ねが業績となって表れるには相当な時間を必要とします。

 従って、トップの仕事の内容が適切かどうかは外部から判断できるようなものではありません。社外取締役には社長が日常業務を妥当に行っているかどうか判断することはなかなか難しいのです。外部の力で社長の現状認識を大きく深めたり、実行力を高めたりするといったことは、特別な場合は兎も角、一般にはとても出来ないものです。

 外部の力が発揮されるのは、事業計画の進行具合など具体的な事案についての意見交換、あるいは不祥事が起きて、当事者の社長ではなく、社外役員が主導で原因の調査をするといった非常の場合などでしょうか。社長の実行力は、社長自身で高めるしかありません。

新刊 『私のリーダー論 時代を切り開く10ヵ条

 社員を伸ばし、会社を成長させるリーダーの条件とは何か。社員13人で始まったオリックスを巨大企業グループに育てた宮内義彦氏が長く考え、自ら記したリーダー論を初公開。新規事業を生みだす。企業価値を高める。そしてイノベーションを起こすためにリーダーは日々、何を考え、どう実践するかを「10カ条」にまとめました。それらを丹念に読み、実行に移せば、リーダーシップは確実に磨かれることでしょう。企業の長期成長のあり方を示した『私の経営論』、そして中小・ベンチャー企業の成長の法則を説いた『私の中小企業論』に続くシリーズ完結作です。

 3部作の発売を記念し、限定の箱入り3冊セットを8月に発売予定です。

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