有税品目「クリスマス用品」もEPAで関税撤廃

 通商論点といえば、まずは「関税」だ。

 海外から商品を輸入する場合、それが「贈り物」用途であっても原則として関税が課される。関税率は品目毎に定められた「HSコード」と呼ばれる分類別の詳細に設定されているが(当コラム2017年8月10日配信「『馬』に始まり『骨董品』に終わる貿易のロマン」参照)、日本においては課税価格が少額(20万円以下)の場合は、関税定率法第3条に基づき、一般の関税率とは別に定められた「簡易税率」が通常は適用される。オモチャ(玩具)の場合は3%だ。

 サンタが抱えるオモチャ袋が「少額」と見なされない場合は、一般関税率が適用される。

 サンタのプレゼントをフィンランド(WTO加盟国)からの輸入と捉えれば、大半の工業製品と同じく多くのオモチャ(HSコード95類)も無税となるのだが、その前提のなか11個の品目(HSコード細目9桁レベル)にのみ3.2%という関税が課されている。

 皮肉なことに、その中はなんと「クリスマス用品」(9505.10.000)が含まれているのだ。サンタが「ツリーに飾れるように」と気遣って届いたプレゼントこそ、関税負担が大きなものということになる。

 (ちなみに、WTO加盟国からの輸入に限らなければ、最も高関税となるのは「ボーリングのボール」(関税番号9504.90.020)(一般関税率4.6%)となっている。サンタが煙突からボーリングのボールを持って降りてくるところを想像すると不憫だが…)

 とはいえ、そもそもサンタの凄さは税関を通さずに空輸で輸入し、そのまま小口宅配を実現していることだ。関税は徴収され得ない。

 もしもサンタが税関を通ってプレゼントを越境輸入したとしても、各国当局とも子ども向けプレゼントを運ぶサンタから関税を徴収したいとは思わないだろう(と信じたい)。

 万万が一、現在サンタが関税を支払わなければいけない窮地に立たされたとしても、2017年12月に合意した日EU経済連携協定(EPA)により、フィンランドから日本へのオモチャやクリスマス用品の輸入にかかる関税はゼロになる見通しだ。

 通商の観点でサンタの凄さを表現するに際し、関税を支払っていないことは特筆するには値しないだろう。

WTO加盟国であるフィンランドから「クリスマス用品」を輸入する際には、3.2%の関税が課される。だが、2017年12月に合意した日EU経済連携協定(EPA)により、フィンランドから日本へオモチャやクリスマス用品を輸入するのにかかる関税はゼロになる見通し。(写真:endomedion/123RF)