「真贋判定」は古来の通商テーマ

 通商にまつわる「真贋判定」といえば、実は歴史的なテーマ。

 近年も話題になっているのが、今からおよそ2000年前の弥生時代に中国の皇帝から送られた国宝の金印「漢委奴国王」の真贋論争だ。

志賀島(福岡県福岡市)の金印公園にある「漢委奴国王印」の石碑。(写真:PIXTA)

 中国の歴史書「後漢書」には、西暦57年に「後漢に貢ぎ物を持って来た倭の奴国に対して皇帝が印を与えた」と書かれている。

 この金印が江戸時代に現在の福岡市の志賀島で水田の溝を修理していた農民によって発見され、現在は国宝となっているのだが───発見にまつわる情報が当時から乏しく、江戸時代に作られた偽物なのではないかという疑惑がある。

 「後漢書」の記載が正しいのであれば、まずは中国で製造された正規品の印が存在することになる。もし国宝の金印がニセモノなのであれば、それを日本で誰かが着服し、江戸時代の模倣品業者が複製したことになりそうだ。

 通商の論点で「非関税」と呼ばれる「ルール」分野は、概念的で定性的な内容のことが多く、「関税撤廃」に比べると関心を集めることが難しい。

 「商標権侵害」や「模倣品対策」が大きな経済影響を持ち、日本にとって重要なテーマであることを御理解いただけたら幸いだ。