オーバートラストに気をつけろ

 これをIoTに関連させ、僕は「信頼のフォグコンピューティング」と呼んでいます。フォグコンピューティングは、クラウド(雲)コンピューティングよりも低いところ、つまりデバイスに近いところに位置しているものとしてフォグ(霧)という言葉が使われています。要するに、ネットワーク障害などでクラウドに接続できないときでもタスクを実行できるように、IoTデバイスのあるLAN内(ローカル)において処理能力やストレージを持っておく、という考え方です。

 そのようなイメージで、サービスを享受するユーザーに近いところ、もしくはサービス中にでも問題を処理できるような仕組みをつくるべきです。

 信用の運用には、とてもコストがかかるものです。リージョンマネージャーを設置するとなると、人件費がかかりますよね。サービス提供者側はそんなコストをかけたくないし、レーティングで信用してるならそれでいいのではないか、とそのまま運用し続けてしまう。しかし、いまのレーティングだって完全ではない。

 さらに将来、すべてAIが判断していくとなると、後戻りできない可能性が大きい。だから、ボッツマンは後戻りできなくなる前に備えて、本書で警鐘を鳴らしています。

 やはりオーバートラスト、信頼しすぎには気をつけたほうがいい。信頼がますます重要なキーワードになってくるのであれば、信頼を逆手にとって利益をあげようとする人たちも必ず出てきます。ウィキペディアにしてもキュレーションメディアにしても、検索結果で表示された内容に脊髄反射的に信頼してしまう傾向が強いと思いますが、信頼の依存リスクについて、われわれユーザーも考慮しなければなりません。

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