2016年7月10日に実施される参議院選挙で、初めて10代が選挙権を得る。18歳、19歳の彼らは、選挙権を得たことをどう考え、どう行動するのか。新しい「有権者」の今を探る。
(撮影:北山宏一)

 僕たちの世代は他の選挙権を持つどの世代よりもこれから長く日本で生きていくはずです。それは将来の日本を担い、背負っていくということ。未来を生きる者として、どのような日本を描きたいのかというビジョンを投票という手段を通して表明することは、私たち若者世代の義務であり、大きな責任ではないかと考えています。

 僕らが投じる1票は今目の前の社会のみならず、自分たちの次の世代にまで影響することです。そういう意味で、責任は大きく、未来のことまで考えて政治や選挙と向き合う必要があると思っています。

 小さな頃から社会の授業が好きで、歴史上の政治家や偉人についてのマンガを好んで読んでいました。そこからの延長線上で、中学校では歴史と公民の授業が特に好きでした。父親は学校の先生だったので、晩ご飯を食べながらニュース番組を見て家族で会話するなんてこともよくありました。

 高校2年生の秋に地元の神戸市で市長選挙があったのですが、そのときの投票率が印象に残っています。全体で30%台、20代が10%台だったということを鮮明に覚えています。両親は投票に行っていて、行くのが当たり前と思っていたので、そうではない現実を知って、驚きました。

 高校2年生の冬から今に至るまで、街頭での啓発活動や高校での出前授業や模擬選挙を実施しています。これまでにのべ2000人以上の高校生に参加してもらいました。活動していて感じるのは「無関心」なのではなく、難しくて分からないから遠ざけている、という現実です。選挙や政治について、楽しく、簡単に理解を深められる機会があれば、投票所に足を向ける人は増えるはずというのが僕の実感です。

 一部の友人とは、ニュースになっていることや選挙の動向について話すこともあります。そうしたときに気付くのは、意見の多様性です。同じニュースを見ていても、自分の考えと友達の考えが全く違うということが少なくありません。幅広い意見を受け入れ、自分の考えをもう一度見直したり、新たな視点を得たりする機会をもらっています。

 参院選当日は、自分の主義主張と一番近い政党や候補者に投票をしようと思っています。自分の代弁者という意味では、なるべく年が近い若い候補者を選びたいと考えています。

 最近はまっているのは、今までに行ったことがない地域に行くことです。直近では、東日本大震災で大きな被害に遭った宮城県の南三陸町に行きました。現地では、被災や復興の状況を肌で感じることができました。大学生になり、行動範囲が広がったことで、様々な地域へ訪れる機会を持てるようになりました。地域活性化に興味があるので、今後も臆することなく、日本各地に足を運び、自分の目で見て考えていきたいと思っています。

(構成:染原 睦美)