広まる「無人販売機」奮闘する日本企業とは?

 ここからは、中国におけるAgriTech・FoodTechの最先端事例を紹介していきます。

 この分野を分類すると、AgriTechは大きく【ソフトウエア】(アナリティクスなど)と【ハードウエア】(農機、ロボット、ドローンなど)の2つに分かれ、ここに【FoodTech】を加えた3分野があります。

 今回は、【AgriTech:ソフトウエア】と【FoodTech】の中で我々が注目するものをピックアップしてみました。

【AgriTech:ソフトウエア】
■ Meicai(メイツァイ/美菜)

 2014年6月に北京で創設されたMeicaiは、中国国内の農家と中小規模の飲食店をつなぐ、中国最大級のBtoB型フードオンラインマーケットプレイスです。 現在、中国50都市を対象エリアに運営されており、2018年内にはユニコーン(企業の評価額が10億ドル=約1000億円以上で非上場のベンチャー企業を指す言葉)入りを果たすのではないかと目されているほど成長しています。

 サービスの特徴は、飲食店がMeicaiのスマートフォンアプリから調達したい食材を探してオンラインで注文すると、18時間以内に注文した商品が指定した場所に届くという点。中間業者を介さないことで、飲食店は市場価格に比べて食材の調達コストを約36%節約することができます。

 ちなみに、一般消費者向けの類似サービスとして冷凍食品を6時間以内に送る企業も出てきており、この分野はBtoB、BtoCともに引き続き注目されるでしょう(吉川)。

MeicaiのWebサイトとスマートフォンアプリ(画像は同社Webサイトより)

【FoodTech】
■ 無人販売機

 前段で無人コンビニの話題に触れましたが、中国では無人の販売店が非常に増えていて、そのバラエティもさまざまです。都市部では、マンションのようなコミュニティにはほぼ必ず、たくさんの無人販売機が設置してあります。品ぞろえも、ジュースのような飲料から牛丼のような丼物、カット野菜、ミールキット、薬など幅広い。日本の自動販売機と違うのは、この点でしょう。

 プレーヤーもたくさんいるのですが、中でも日本の富士電機が非常に大きなシェアを占めています。中国は人口が多いので、当然利用者のボリュームも日本とは違う。マーケットとして非常に面白いと思います(小田氏)。

■ Bugsolutely(バグソリュートリー)

 上海にあるスタートアップで、カイコからスナックを、コオロギからパスタを作っているユニークな企業です。見た目を「昆虫」と分からなくすることで、不快感を軽減し、味も美味しく仕上げています。これにより、持続可能なタンパク質を提供することを目指しています。

 パスタについては、世界で初めてコオロギの粉を20%使用。タンパク質だけでなく、カルシウム、鉄分、ビタミンB12、さらにオメガ脂肪酸を豊富に含む新しい栄養源としてマーケティングすることで注目を集めています。日本にも上陸し、販路拡大を目指すということです(小田氏)。

■ 321cooking(321クッキング/三刻)

 中国で伸びているミールキットの会社で、20~40代の多忙な消費者をターゲットにしています。前回の講座で紹介したミールキットサービスの米Blue Apron(ブルー・エプロン)を参考にしながらも、名門シェフとのコラボレーションによるメニュー開発と「美味しい」「便利」「新鮮」(「安全・健康」)を価値命題として短時間で調理可能な料理キットを販売しています。

 ミールキットのサービスは、大きく「調理の手軽さ・スピード」「クオリティ重視」「ラーメン専門のような特化型」「ヴィーガン向けなどの志向特化型」の4つに分類されます。その中で三刻は、レストランクオリティの料理を家庭で作ることができるという「クオリティ重視」のアプローチを取っています。

 そうすることで、例えば客先とのディナーや残業による外食が多く、かつ食材・調味料を気にするというような消費者を取り込んでいます(吉川)。