リーダーシップは「支配型」から「サーバント型」へ

普段の練習時から、キャプテンがどういう行動を取り、どういう発言をするかがとても重要になってきますね。

:そうですね。これは4つ目になるんですが、キャプテンの役割とは何かということです。僕はサントリーでもサンウルブズでも、キャプテンをやらせてもらっています。中学も高校も大学もキャプテンをやったのですが、高校までは、キャプテンというものは「とにかくみんなを引っ張って、自分の姿、言葉で見せて、自分にみんなをついてこさせるのが役割だ」と思っていました。

 大学でキャプテンになったときも、とにかくまずは自分が頑張ろうと思っていました。いまでも自分が100%ハードワークをして、そういう姿をメンバーに見せるということに変わりはないけれど、それだけではなくて、周りをどれだけ巻き込んでリーダーシップを取れるかというのが大事だと思っています。

 大学には1年生から4年生までいて、AチームからEチームまである。どうやってみんなを巻き込むかというと、大学の各学年は横のつながりがすごく強く、各学年のリーダーに、一緒にリーダーシップをとってほしいとか、こういうことを考えているから学年に浸透させてほしいということを言ったり、また、各チームのリーダーとも話をしました。そのことによって、チーム全体の課題が「他人ごと」ではなく、全員にとって「自分ごと」になっていきました。すべての4年生にとってAチームで試合に出たいという思いは誰にもあるんですが、それよりもチームとして4年間やってきたことを出して、下級生も一緒に全員で目標を達成したいという思いになってくれました。

 いまは社会人なので違う部分も少しあるんですが、キャプテンとして自分が思っていることはもちろん伝えますが、周りのこともしっかり聞いて、共感するようにしています。メンバーが自分とは違う考えを持っていても、それがすばらしいことであれば積極的に取り入れていく。一人で引っ張るんじゃなくて、周りと一緒になって全員を引き上げ、周りにポジティブな影響を及ぼし、メンバーの良さを引き出していけるようなリーダーシップが大事だと思っています。

岩出:いまの時代にフィットしているのは、リーダーがひとりで頑張る「支配型リーダーシップ」ではなく、メンバーの強みを引き出すことをサポートする「サーバント・リーダーシップ」だと思います。少し遠回りになるけれど、メンバーの自律性やモチベーションを引き出せるように、メンバーに共感し、環境を整え、成長マインドを促す文化をつくっていくことが、いまのリーダーに求められている役割だと思います。

師弟関係の2人。勝ち続けるプリンシプルを受け継ぎ、ワールドカップに臨む

母国開催のワールドカップでは結果にこだわる

来年、いよいよラグビー・ワールドカップが日本で開催されますが、最後に抱負を聞かせてください。

:2019年に母国開催されるワールドカップでどんな結果を出せるかというのは、日本ラグビー界の今後に大きな影響を与えると思います。きれい事を抜きにして、僕は2019年のワールドカップが終わった後も、日本ラグビー界をすばらしいものにしていかないといけないと思っています。

 僕個人としては、まだ日本代表の選手としてポジションが確定しているわけではないので、まずは選手としてワールドカップに行けるようにがんばっていきたい。日本のラグビー界をすばらしいものにするという大きなビジョンを持ち、それには何が必要なのか自分で感じながら、選手として出場できるように日々努力を続けています。代表に選ばれたら、ただ出場するだけではなく、結果をしっかりと求めていきます。

岩出:ワールドカップの第1回優勝チームはオールブラックスで、そのときのキャプテンは流選手と同じスクラムハーフなんですよ。ぼくはその印象がすごく強くて、流選手が卒業したとき、いつか彼を中心とする日本代表がワールドカップで活躍する日が来ないかなと思っていたら、もう日本代表に選ばれるところまできました。2019年のワールドカップでは、日本のラグビーをより高める牽引者になって、結果を出してほしい。壁をいっぱい越えて、最後に笑ってほしい。日本人みんなが、ラグビーで盛り上がるその瞬間を僕らも共有したいですね。がんばってください!

:ありがとうございます。結果を出せるようにがんばります!