挑戦的な失敗をどんどん推奨する

二つ目を教えてください。

:僕は将来、指導者になることを目標にしているのですが、新しいことへのチャレンジに対して、たとえチャレンジが失敗に終わっても、それをOKとするようなチームづくりを監督から学びました。自分自身がしっかり考えてチャレンジして、それでミスをしたときには、帝京大学ラグビー部では絶対に怒られないです。ただ、集中力がなかったり、事前に準備できたのにそれが足りなかったり、コミュニケーション不足で起きるミスは、改善できることなので、繰り返してはならないミスとして区別されます。「チャレンジしたミス」が推奨されると、学生のモチベーションはすごく上がりますし、どんどんやってやろうという気持ちになる。それを勘違いして、雑になったりしてしまうのが僕たちの代でもあった。それをただすために僕自身もアンテナを張って、ちゃんとできるようになったのは4年生の最後のほうですが、チャレンジかどうかの境界線をしっかり見極めながら、みんなにアプローチできたことは自信になり、いまでも自分のためになっています。

岩出:それはマル、バツ、サンカクの考え方だよね。

:はい、そうです。「考えたうえで起きたミスはサンカク」と僕たちは学びました。しっかりと集中した状態で失敗をするのはミスじゃないと。「マルに近いサンカク」と言っていただいていたので。

岩出:普通は結果が良ければマル、失敗したらバツの2つだけですが、そこにサンカクを入れようと考えました。挑戦的で、精一杯やったうえでの失敗はマルに近いサンカクにする。それ未満にはならず、それ以上になっていく要素なので、どんどんほめていく。特に若い選手、1、2年生には伸び伸びとさせるために、前向きな失敗には怒らない。サンカク推奨で、もう全部マルにしてもいいくらいです。選手としてそこに良さを感じてくれていたというのは、すごくいいことです。自分がリーダーや指導者になったとき、同じようなスタンスで後輩を見守れば、後輩もまた、それを真似して、文化の一部として定着していきます。