特に、忙しい時間帯では、お客様が帰られたら「ありがとうございます」と挨拶して、テーブルが空いたら間を置かずに片付けて、セッティングして、テーブルセッティングが終わったころにちょうど、入り口からご案内する人が、次のお客様を席のそばまで連れてきて…となるのが理想ですよね。それぞれの段階を待ってから、動作に入ったのでは、全部のステップにロスタイムができる。ですので、「当たり前にやったら、基本、ロスが発生する」んです。それをゼロに。難しいけれどそれを目指していったら、照國神社の近くの店が、成田山の近くの店に勝ったりするわけです(笑)。

 気付きとタイミングへの感度を上げていくことが一番。そのためには、実際にオペレーションしながら、「ちょっと見てごらん。今、お客様はどんな顔をしている?」「えーと、何かこっちをずっと見ています」「それってどういうこと?」とか、気付くべきポイントを教えていきます。分からない人も、ポイントを教え続けていれば、分かります。個人的な経験では、最初からカンがいい人はせいぜい2割くらいですね。でも、8割の人も、ちゃんと教えることで伸びていきます。

気持ちのいいサービスを受けたら観察してみて下さい

 私、ちょっとこの辺のことには熱を入れすぎるみたいで、店長時代に、ランチタイムの時にアルバイトさんに「ほら、あのお客様を見てごらん」とやっていたら「店長…わたし、今日でアルバイト期間が終わるんですけど」と言われて、「あ、そうか。でもまだあと数時間あるし、それに今後も何かの役に立つかもしれないよ」と、そのまま続けてああだこうだと(笑)。「今だ、教えると伸びるぞ」と気がつくと、止められないんですよ。基本が分かった上で「何に気付くべきか」という訓練をずっとやっていくと、その人はすごい勢いで伸びていきますよ。だって、現場にいれば、次から次にお客様が来るわけですからね。

 お客様もよっぽどのこと、たとえばコーヒーを頼んで紅茶が来たとか、ハンバーグを頼んでスパゲティが来たとかが起これば文句もおっしゃるけれど、タイミングがずれたとか、笑顔があんまりないとかいうことについては黙っている。でも、それを言われないうちから気付いて無くしていくと、お客様には居心地がいいし、また来ようと思って下さるでしょう。そして、商売としてもちゃんと儲かるんです。

 もし、自分の気持ちをどんどん先回りするようにサービスしてくれるお店があったら、それは間違いなく店長、もしくはトレーナーさんとかが非常に優秀で、店員さんもすごく頑張って、意識してやっているからそうなるんですよね。「そんなの、サービス業なんだから当たり前じゃないか」と言われたら、当たり前なんですけど、頑張った結果の「当たり前」なんですよね。

 もちろん、どのお店にもあてはまる話だと思います。今日のランチに行かれたお店で「なんだか、気が利いているな」、と思ったら、店員さんが何に注目して動いているのか、考えてみるのも面白いですよ。