「2カ月以内でオープン」と言われていましたが、結局、開店の1カ月前に赴任となってどたばたしまして。それでも、開店後は、売り上げが思ったより上がったんですよ。ところが、これが拙かった。人、モノ、カネの体制がちゃんと作れないまま、お客様はどんどんやってくる、ということですから。

 しかも、自らその状況に拍車を掛けるようなことをやってしまった。

終夜営業を始めたら悲惨なことに

 当時、ロイヤルホストは閉店が午前2時です。閉めて掃除して片付けして、オープンは朝7時なので、5時ぐらいから準備。これではほとんど寝られない。だったらもう、店を閉めずにそのままやって、作業はその中にうまく組み込んでやっていった方が、ニーズの取り逃しも減っていいんじゃないかと思った。それで、3月にオープンし、夏前の7月ぐらいに24時間営業をやっちゃったんですね。それも、ロイヤルホスト初だったんですね。

 しかもまた、私が安易に「そんなにお客様も来ないだろう」と思って、夜中から朝まで働ける短大の学生さんを2人採用して、「よっしゃ、これでやろう」と。

 ところが、この店は天文館という鹿児島で一番の繁華街が近くにあるので、夜もお客様が全然途切れないんですよ。「朝まで居られるお店が出来た」と、週を追うごとに夜中の来客が増えてきた。天文館の夜のお店で働いている方たち、ホステスさんとか、そのお客様も。どんどん、どんどん来て、8月になるとすごいことになった。採用した学生さんたちが疲弊してしまって、2人とも結局秋には辞めちゃったんです。

 だからといって「やっぱり24時間営業は止めました」といきなりお店を閉めるわけにもいきません。いままでの従業員で必死にシフトを組んで回す羽目に陥りました。ですので、1年目のこの店の合い言葉は「悲惨や、悲惨や」ってことになってしまいまして。

正月の人出にまたまた七転八倒

 夏が過ぎてもお客様はいっこうに減らず、それでもなんとか対応に慣れてきたところで、次の「悲惨や」が起こりました。お正月です。お店の近くに照國(てるくに)神社というのがありましてね、城山店は、いわば、成田山の近くの成田店とか、川崎大師の近くの川崎店、明治神宮の表参道店みたいなもので、参拝絡みでお客様が押し寄せてくださる立地だったんです。

 とはいえ、照國神社は地元ではとても有名なんですけど、全国でいったら知名度はそうはない。ですので、1年目は甘く見て、アルバイトの学生さんから「お正月は実家に帰りたい」と言われたら「いいとも、親孝行してこい」と、希望者をどんどん休ませちゃったんですよ。そうしたら、手薄な従業員が参拝客の波に押し流されるとんでもない事態になりまして、また「悲惨や、悲惨や」と。