海外からの出資も続々

 このように、スタートアップ企業から新しい発想のモノが続々と出てきています。一方、こうした「面白さ」で突き抜けたモノを日本の大企業が生み出すのは困難でしょう。長年にわたって築き上げたブランドと看板を背負う大企業は、不特定多数の人々が共感し、品質も性能も価格も納得できるモノでなくては市場に投入できないからです。

 その点、スタートアップは恐いものなし。多少のバグや不具合があっても製品を出し、ユーザーのフィードバックをもらいながらどんどん改良していきます。市場性や事業性の高さに大企業が気づいて競合製品を投入しようという時には、既にバージョン3、バージョン4へと進化し、追いつくのが難しくなっています。

 では大企業はIoT時代に押し寄せるものづくり新潮流の中でどのようなアクションを取ればいいのでしょうか。

 大事なのはスタートアップと協力関係を築くことです。豊富な人材や技術でものづくりの手助けをする。ヒットし始めたら出資、買収して取り込んでいく。シリコンバレーの大企業はみなそうしています。

 ところが、日本の大企業にはスタートアップと連携する文化がなく、こうした動きを取る企業はほとんどありません。自前でつくることにこだわり、結果的にイノベーションを生み出すことができなくなっています。

 ABBALabには、日本のスタートアップ企業に興味を持つ海外企業が続々と訪ねて来ます。ABBALabが出資する14社のうち、約半数に既に海外の資本が入っています。一方、日本の大企業はいまだゼロ。日本の大企業のスタートアップに対する距離感が見える話だと思いませんか。

 何度も指摘する通り、IoT時代が到来し、ものづくりに新たな潮流が押し寄せています。IoT時代での飛躍を期し、活動を始める起業家が数多くいます。日本の大企業は長年培ってきたものづくりの強さを発揮するために今、何をすべきか、何ができるか、改めて考えてみるべきではないかと思います。

(編集協力:小林佳代)