出資の判断基準は「面白いか否か」だけ

 ABBALabが支援するスタートアップ企業が生み出しつつあるのは、いずれもIoT時代を先取りしたハードで、我々の暮らしをガラリと変える可能性を秘めています。これらのハードは斬新なアイデアを具現化する技術力、デザイン力、人材力、すりあわせ力などがあったからこそ、形になりました。IoT時代に臨んで、日本のものづくりの強さを発揮する好例だと思います。

 現在、ABBALabが出資するスタートアップ企業は、これまでご紹介してきた会社を含めて14社あります。数年以内に100社ほどに拡大したいと考えています。

 あまたある候補の中から支援する企業を決める基準は私や小笠原さんが「面白いと思うか否か」。マーケットがあるかどうかなんて考えないし、会社の事業計画も見ないことすらあります。最近はシリコンバレーの投資家たちもみなそうしています。

 スタートアップの世界にはこんな定説があります――成功する企業ほど、最初は周囲から「なんだかよく分からない」「どうやって儲けるのか」と首をひねられることが多い。逆に、誰もが「これはいい」と賞賛する企業はうまくいかないことが多い。だから私は自分の感覚を信じて「面白そう」「発展性がありそう」と思えば、すぐにゴーサインを出します。

 例えば、“バーチャル妻”のホログラムコミュニケーションロボットは「極めて直感的にコミュニケーションが取れる」点が面白いと思いました。ユーザーは特別な操作をする必要はありません。言葉でやりとりするだけでユーザーが望むことをやってくれます。今、スマホやパソコンが苦手な高齢者が多くいます。直感的に操作できるコミュニケーションロボットはやがてスマホやパソコンに代わる中心的なデバイスになっていくと期待しています。