設立したばかりのスタートアップ企業(ベンチャー企業)への投資・育成を手がけるMistletoe(ミスルトウ)の孫泰蔵社長兼CEO(最高経営責任者)。アジアにシリコンバレーのようなエコシステムを形成し、日本に、そして世界にイノベーションを起こそうと情熱を注ぐ。

 泰蔵社長が今、「Living Anywhere」というコンセプトを社会に広げたいと考えている。電気・通信・水道といったライフラインと、医療、教育、オフィス(仕事)という4つのインフラを提供することで、人々がどこででも暮らせるようにする。このコンセプトを実現するテクノロジーを開発する企業を支援していく方針だ。

 私が今、社会に広げたいと考えているコンセプトがあります。それは「Living Anywhere」。「どこでも好きなところに住む」ということです。

孫泰蔵氏(撮影:加藤康、以下すべて)

 「私は住みたいと思った町を選んで住んでいますよ」
 「田舎暮らしがしたいと思ったから故郷に帰る選択をしました」
 このように答える人がいるかもしれません。でも、それは私がイメージしているLiving Anywhereとは異なります。

 「東大生ベンチャーが挑む世界の水不足解決」の回で、Mistletoeが支援するスタートアップ企業のHOTARU(ほたる)を紹介しました。彼らが開発を進めるHOTARUは上下水管のない場所、つまり水をひいていない場所でも水を使えるようにするものです。

 これこそ本当のLiving Anywhereです。

 住みたいと思う町を選んだとか、田舎暮らしがしたいから故郷に帰ったというのは、「水、電気などのライフラインがある」という前提の上に成り立つ選択。私はもっと自由に、何の条件も制約もなく、好きなところに住める社会を作りたい。