世界目線でグローバルに通用するものに賭けたい

 サグラダ・ファミリアの建築に携わる人たちの間で、長年、疑問とされていたことがあります。中央にそびえ建つ予定のキリストの象徴とされる塔は、完成すれば高さ175メートルにも達するもの。そこに吊す鐘は巨大なものとなり打ち鳴らすことは困難だと考えられていたのです。どのように音を出せばいいのか、長年、「ガウディの謎」とされてきました。

 ところが、近年、専門家の研究が進み、その謎が解かれつつあります。周囲の塔に吊した鐘がカランコロンと鳴ると、その残響を受けて、イエスの塔に吊した巨大な鐘がゴーンと低い音で共鳴するであろうことがわかってきたのです。ガウディが設計したサグラダ・ファミリアは偉大な建築物であるだけでなく、楽器でもあるわけですね。

 さらにガウディは、完成したサグラダ・ファミリアの鐘で奏でる曲の楽譜まで用意していたと言います。完成した暁にはバルセロナの町に美しい旋律が響くことでしょう。なんと夢のある壮大な構想でしょう。

 この話を聞いた私はいたく感動し、「人類の宝として、この建築物をぜひ完成させなくてはならない」と思い、寄付する気持ちになったわけです。

 ガウディという1人の建築家が設計したサグラダ・ファミリアは、とてつもなく大きな功績を残しています。すばらしい建築物として、また芸術品として、見る者の心を豊かにしてくれる。バルセロナ市民には貴重な観光資源として莫大な経済効果をもたらしています。

 私と同じようにこの構想の壮大さ、雄大さに共鳴する世界中の人々が、建築が継続できるよう多くの寄付をするようになった。そのおかげで、かつては300年かかるといわれていた工期が大幅に短縮し、2026年というゴールが見えてきたとされています。

 ガウディが手掛けたサグラダ・ファミリアは「大きく考えること」の重要性を示しています。Think Bigの姿勢があったからこそ、壮大な夢、大きな志に惹かれ、それをともに追いたいと願う人の支援を得ることができるのです。

 我々はガウディを手本に、Think Big を貫いていきます。起業を目指す人、起業家たちにも同様に、Think Bigで突き進んでほしいと思います。

(編集協力:小林佳代)