リオデジャネイロ五輪の閉会式で五輪旗を引き継いだ小池百合子都知事(写真:中西祐介/アフロスポーツ)

 8月、東京で初めての女性都知事、小池百合子知事が誕生した。また、最大野党である民進党代表には蓮舫氏が就任した。

 海の向こうでは、英国でメイ氏がサッチャー氏以来の女性首相となり、米国でもヒラリー・クリントン氏が民主党大統領候補として、11月の選挙に挑んでいる。彼女が米国大統領となれば、世界をリードする米、英、独、3カ国のリーダーが全員女性となる、まさに政治における女性の活躍を象徴する出来事だ。

 経済活動の中で女性の活躍は、日本においても社会を支える必須の要素となっている。6月に、総務省から2015年に行われた国勢調査抽出速報集計が公表された。それによると、15歳以上65歳未満の人口に占める労働力率は、男性が70.8%であったのに対し、女性は49.8%であった。1968年のこの数字は、男性が82.1%で女性が50.7%だった。この50年近くの間に、男性の労働力率は12ポイントも下がる一方で、女性のそれはほぼ同じ水準を保ちながら労働力減少のマイナスインパクトを補ってきた。しかし、その比率はいまだに50%に留まっている。逆にいえばこれは、女性の労働力率の増加余地が男性に比べ大きく、少子高齢化社会の時代に、働く女性の役割がますます拡大することを意味する。

女性ばかりの会場で見当違いのスピーチ

 10年以上も前の話だが、前職のころ、女性の活躍を社内で推進しているグループの会合でスピーチをしたことがある。壇上に登って驚いたのは、聴衆のほぼ全員が女性だったことである。普段とは様子が違うので大いに困惑し、何を思ったのか自分でも定かでないが、予め用意した話をやめて、別の話を選ぶことにした。この突然の変更は、明らかに私の調子を狂わせた。

 ちょうどこの年、私の娘が就職したので、より実感のある話題をと思い、新入社員の娘を持つ父親の心境を語ってみることにした。当時の民間企業は、改善されてきたとはいえ、まだまだ男性社会であり、そのことは経営者の立場にいた私自身もよく承知していた。そのような中で娘を社会に送り出すというのは不安がないわけではなかったのだが、娘が楽しそうに、毎朝、家を出ていくのを見て、よい会社に就職できたのかなと安心をした。

 ところで、自分の会社はどうだろう。本当に女性にとって働きやすく、働きがいのある会社になっているだろうか。至らぬところがあったならば改めなければならぬ、とそんな話をしたつもりだった。内容は悪くはなかったなと思いながら降壇した。