:社会の方が、新しいテクノロジーに慣れていかなきゃいけないということですね。

小松:そうです。技術だけ先行してもダメですし、当然ながら人々の認識が遅れてもうまくいきません。うまく調和しながら、一緒に進んでいかなきゃいけないと思うんですよね。そういった目線で、ちゃんと事業ができているドローンの会社は、ウチの他にほとんどないんじゃないでしょうか。

 本田さんが我々に興味を持ってもらったのも、その点だと思っています。本田さんはカンボジアとかウガンダとか発展途上国にボランティアとして訪れ、現地では道路も舗装されていないため、物流網が全然整備されていないことを実感している。だからドローンを使ったマイクロロジスティクスに関心を持っていて、日本発の技術を世界に広げられる可能性があるんじゃないかということで、当社に出資していただきました。

 僕自身はまだ本田さんと直接会ったことはありませんが、去年の夏頃から何度か、スカイプを通じて話をさせてもらいました。

:本田氏から出資を受けたことで、どんな相乗効果があると期待していますか。

小松:やっぱり、彼の持っているネットワークは強いと思っています。世界的なスポーツ選手だからこそ出会える人もいるでしょうし、我々が世界に対して事業をエクスパンドするときに、キーパーソンになってくれると期待しています。

お金儲け第一ならスタートアップなんかに投資しない

サッカー日本代表の本田圭佑氏は投資家としての顔も持つ

 僕が「KSK Angel Fund」という個人のファンドを立ち上げたのはおよそ2年前。それから投資した会社は日本が15社、アメリカが17社、ほかの地域は2社。全部で34社ですよ。我ながらものすごいスピードで投資をしてきたなと驚いています。もしかしたらプロの投資家より、ペースは速いかもしれない。

 誤解してもらったら困るんですけど、カネないですよ、マジで。自分でリスクを取って、世の中を良くしようと思っているだけなんで。お金儲けを第一にするなら、スタートアップなんかに投資しません。不動産とかアンパイじゃないですか。僕もいろんなところにネットワークがあるんで、情報をゲットしようと思ったら、そんな難しいことではありません。

 この2年間、エンジェル投資をしてきて感じていることは、やっぱり人ってヴィジョンに付いていくものなんですよ。ファウンダーが思い描いた夢が実現するかどうかなんて、誰も分からない。だからこそ、その人のヴィジョンが魅力的かどうかが大事です。小松さんもそう。ドローン社会を実現するために何が必要かを真剣に考えている。それも日本だけではなくて、世界で。もしかしたら、全く新しい産業ができあがるかもしれない。それに自分も関われるわけですから、ものすごくワクワクする。

 僕はこれまで、3つのレンジで投資してきました。一番多いのは500万円から1000万円ぐらい。もっとデカく投資する案件がある一方で、200万円くらいの小さい投資もあります。これは「応援枠」みたいなもんです。言っちゃ何ですけど、ビジネスとしてはたぶん失敗するだろうと。でも、ファウンダーが恐ろしく熱くて、素晴らしい人だったら応援したくなる。若い人だったら特にそうです。毎回毎回、寄付みたいなことはできませんけど、本当に応援してあげたい思ったときは突っ込む場合があります。

(次回に続く)
■変更履歴
記事掲載当初、本文中で島田亨氏の肩書きを「U-NEXT副社長兼COO」としていましたが、「U-NEXT取締役」の間違いでした。お詫びして訂正いたします。本文は修正済みです [2018/03/22 17:30]