投資先は知り合いから紹介してもらうのが一番多いです。日本もそうですし、アメリカもそう。一番大事にしているのはファウンダーのヴィジョンですね。そのヴィジョンが世の中のためになっているか、素晴らしいことだと分かったら、まず投資するかどうかを検討します。次に、そのヴィジョンを実現するビジネスモデルを持っているかどうかを判断します。それってチームですよ。ファウンダーが掲げたヴィジョンを実現するためのチームができているかどうか。これが大事です。

 僕はこの投資業界で月日も浅いんで、百戦錬磨の投資家たちから見ればまだまだ甘い。まあ、子どものようなもんですよ。でも、しっかりとファウンダーの話を聞いて、そのビジョンが実現できるチームができていれば、投資します。僕のネームバリューを求めて近づいて来る人もいるでしょう。周囲の人には「騙されやすい」って言われます。でも、それだって「pros and cons」。何だってトライ・アンド・エラー。僕は若干31歳の人間です。初めて会った人にプレゼンされて、その人が考えていることとか、すべてが分かるはずがないんで。

 2017年末に投資を決めたエアリアルラボも、ファウンダーの小松周平さんのヴィジョンに感銘を受けました。ドローンとブロックチェーンを組み合わせて、新しい社会インフラを作りたいという想いは、他のドローン企業も持っている。でもエアリアルラボは、最初から地球規模でサービスを広げようとしている。

 やっぱりヴィジョンの中身と規模、その両方を兼ね備えている起業家って、それほど多くはない。小松さんの言葉、実際に起こしている行動、アプローチの仕方、投資家の選び方、そしてチーム作り。すべてにおいて、自分のヴィジョンを本気で実現しようとしていることが伝わってきました。セキュリティーや物流などで困っている人達のニーズを満たしたい。それも世界規模で。そういう熱い想いを聞いて、サポートしたいと思いました。

 やっぱり、僕も投資家として、世界にインパクトを与えるようなファウンダーに投資したいですから。

(本田氏の話は後半に続く)
本田圭佑氏がそこまで惚れ込む小松周平氏とはどういう人物なのか。
エアリアルラボとはどんなスタートアップなのか。

「いつまで虚業をやっているんだ」と言われて…

:創業の経緯を教えてください。

小松:私は大学を卒業してから金融業界で働いていました。新卒からずっと投資銀行、ヘッジファンドと海外を転々として、ニューヨーク、シンガポール、ロンドンにもおりました。シンガポールにいたときに島田亨さん(楽天元副社長、現U-NEXT取締役)に出会いまして、「いつまで虚業をやっているんだ」と言われました(笑)。

小松周平(こまつ・しゅうへい)氏
株式会社Aerial Lab Industries(ALI)代表取締役CEO兼CTO。 東京大学大学院先端エネルギー工学専攻修了。外資系投資銀行、ヘッジファンドにてシンガポール・ロンドンにおいてトレーディング業務に従事。2017年2月にALI代表取締役就任(写真:北山 宏一)