「自宅投資」と不動産投資を比較する

 ここまで書くと、そんなに儲かりそうなら不動産そのものに投資しよう、と考える人が出てくるかもしれない。だがそれは違う。単なる不動産投資は儲からない確率が高いので、私は勧めない。ここで私が勧めているのはあくまで「自宅投資」だ。

 以前に、この日経ビジネスオンラインでも「不動産投資の罠(こちら)」を書いて、4回中3回がデイリー1位を獲得したことがある。自宅を購入する前にもし不動産投資をしていると、住宅ローンが借りられず持ち家取得を断念せざるを得ない人が続出する。そのくらい不動産投資は儲からないと考えた方がいい。

 不動産投資は以下の簡易な方程式で説明すると分かりやすい。
 自宅購入と不動産投資を対比させて説明しよう。

 不動産投資の新方程式=利回り-金利-税金-譲渡損益
 (自宅の場合)=4%-0.6%+1%-2%=2.4%
 (投資の場合)=3.6%-3.5%-1%-3%=▲3.9%

 利回りは、自宅の場合、自分が住んでいるので100%稼動で、家賃分が必ず浮く。これが物件価格の約4%に相当する。住宅ローン金利は0.6%程と低く、ローン控除で1%還付され、価格は年平均2%程度しか下がらないので、プラスが出る。

 一方、投資は同じ4%の利回りでも10%程度空室を見て3.6%、金利は3.5%と高く、賃料収入の30%程度の物件価格の1%は税金で取られ、値下がり率も年3%程度と高い。このため、少なくとも金利を1%以下にして、キャピタルロスがほぼ無い状態にしない限りプラスに転じることが難しい。

 これらを総合すると、自宅マンション購入の損益は50:50の確率になるのに対して新築ワンルーム投資は90%以上の確率で利益が出ない。どちらも不動産事業収支のソフトに数字をいれてシミュレーションをすれば、答えはすぐ分かる話だ。多くの不動産投資家は事業収支すら計算していない。

 結果として覚えておくことは、不動産投資で成功するには、「まず自宅から」が鉄則である。自宅は金利も安く、税制も優遇されており、ここで資産形成できないならば、不動産投資でチャンスはない。その成功確率を上げるために、物件ごとの資産性評価を確認しなければならないのである。住まいサーフィンはそこでお役に立てる。