物件内の最も割安な単価を狙う

 この物件の中でも割安な住戸を探してみよう。過去に値上がり益を出した事例を見ると、物件内で割安な単価のものが多い。同一物件の中でも新築での単価差はかなりあるものだ。

 首都圏のタワーマンションなら、同一物件内で平均1.7倍程度の単価差がある。この際に、中古になってからの値上がり益は単価の低い住戸の方が大きい。タワーならば、低層階の方が値上がりする傾向がある。その要因は新築と中古の売り方の違いにある。

 新築は全戸の価格表をつくって一斉に販売するので、価格差をつける。たとえば、最上階のペントハウスは財力のある人を招待制で呼んで優先的に販売する。逆に、単価の安い物件はチラシなどの広告に最安値として記載し、「客寄せパンダ」の役割を果たす。この価格なら買えると思って来場する顧客を増やすのだ。

 この最安値は買える人が多いぶんだけ、倍率も高くなるし、実際に買える人は少ない。しかし、この1戸のお蔭で集客できる数は格段に増える。いわゆる「にぎやかし」だ。結果として、この物件を必ず買いたい顧客は販売員の巧みな話術で倍率の低い単価の高い住戸に誘導されることになる。

 一方、中古の売り方は、新築のように整合性のとれた価格表は存在しない。1階下と比較されることはないし、同様の間取り・面積帯の住戸が存在しなければ、重視されるのは立地や物件全体のグレード感になる。

 つまり、個別住戸ではなく、物件間の比較になっており、物件概要(住所、駅徒歩、総戸数、階数など)が重要になる。こうなると、新築のときに付いている単価差は意識されず、単価が低く同じ面積なら価格の安い住戸の方が売れやすい。こうして、新築のときに単価が安い住戸が値上がりしやすくなるのだ。

 実際に竣工当初に売りに出されるのは、こうした単価の安い住戸が多い。この価格事情を知っている「業者買い」が多いのか、住む気もなく安いから買ってしまったからなのか、実態は様々だろうが、「物件内の単価が安い住戸を狙え」はかなり確率の高い法則と言える。

 こうした物件は郊外でも低層でも小規模物件でも存在し得るので、予算が足りない人は考え方を変え、こうした物件を探すのも1つの方法だと覚えておこう。