反応の仕方に注意が必要な3つのパターン

 「ずるゆる」を使って相手が気持ち良く話してくれた場合でも、それですべてが完了というわけではありません。それが双方にメリットのある話ならいいのですが、その後に対策しなくてはならないこともあるのです。対策が必要な場面は主には3つあります。

  • ①相手の話が間違っている場合
  • ②相手の話が面白くない場合
  • ③悪い話を聞いてしまった場合

 1つずつみていきましょう。

 ①相手の話が間違っている場合、はどうすればいいのでしょうか? それは簡単です。「私はこのように聞いたことがあるのですが、間違っていたのですね?」という投げかけをすればいいのですね。「それは間違いです」と直接指摘するのは得策ではありません。それまでせっかく気分良く話してくれていた人の気分を害する可能性もありますし、警戒して次からは話してくれなくなるかもしれません。場合によっては相手のメンツを潰してしまう可能性さえあります。メンツ主義の華僑たちは絶対に相手のメンツを潰さないよう、常に意識しています。

 年下や部下が相手の場合でも同じように、直接的に指摘するのは避けたほうがいいでしょう。自分よりも経験が不足している相手との話はだいたいにおいて想像がつくものです。嘘を見破ることも比較的簡単でしょう。ですが、「窮鼠猫を噛む」の諺の通り、相手を追い詰めると自分が後々損をすることさえあります。相手を追い詰める、という行為は自分のリスク管理ができていない証でもあります。

 また、その指摘によって相手が得をするお手伝いをすることもできます。あなたの指摘によって相手は自分の間違いに気づき、それを訂正することによっていい思いをすれば、必ずあなたにもいい影響があるでしょう。ここでのポイントはあなたが指摘したことによって相手が得をした、なので功績は自分にある、ということを言わないことです。

 老子の言った「善行無轍迹(善く行く者は轍迹ない)」です。おおまかな意味は「善い行いをしてもそれをアピールしないほうが得策である」。似たような例え話に「綺麗に素敵に歩く人は足跡を残さない」というものがありますね。これは私の功績だ、実績だ、と言わないのが、回り回って自分の評価評判をあげることにつながることでしょう。

「話が面白くない」時は話術トレーニングの好機!

 ②相手の話が面白くない場合、すなわち興味が湧かない場合ですが、これは自分の責任です。テレビニュースなどで様々な対談をご覧になられたことがあると思いますが、面白い話、内容の時は間違いなくインタビュアーの質問の仕方が秀逸です。漫才などのお笑いを見ても、面白いときはボケとツッコミのバランスが素晴らしいものになっています。相手の話が面白くない、と感じたら違う角度から質問してみましょう。違う角度からの質問が難しいと感じる方は、第三者が聞いていたらどのような質問に喜んでもらえるかを考えながら会話をすることです。

 トークだけに頼らない反応の仕方もおすすめです。欧米人や中華系の人たちが大きな身振り手振りのアクションを取るのはよく知られていますが、中華系以外のアジア人でも陽気で会話上手な南方系の人たちは皆一様にオーバーアクションです。口下手だと感じている方は、大きく手をかざしてみたり、書類などを持ち上げたりなどのリアクションを身につけると非常にインタビューが盛り上がりやすくなりますので、一度お試しください。

 荘子の言葉が参考になります。「窮亦楽、通亦楽(窮もまた楽しみ、通もまた楽しむ)」。窮した状態も楽しみ、いい感じの状態も同じように楽しむ。どのような時、場面、境遇に置かれても、その時その場その境遇を楽しむ心づもりが豊かな人生を送るのに善い習慣である、という解釈でいいですね。