「知られたら知りたくなる」の法則

 例えば、「私は○○市に住んでいます」と言えば、相手は「ああ、そうですか」で終わる可能性が高いです。ですが「あなたは○○市にお住まいではありませんか?」と聞けば、相手は高い確率でYES、NOと答えた後に「あなたはどこにお住まいですか?」と聞いてきます。自分から相手に対して、私はあなたに興味がありますよ、という形で投げかければ、相手は必ずバランスを取るようなコミュニケーションを返してきます。

 これは簡単なテクニックです。相手のことを知りたい、お近づきになりたいと思えば「あなたは」から会話を始め、相手に興味がなかったり、遠ざけたかったりと思えば「私は」から会話を始めればいいのです。

 これは無意識になされていることが多いので、周りにいる人たちの会話をウォッチすれば、誰が誰に興味を持ち、誰が誰を遠ざけようとしているのかを探ることができるようになります。好き嫌いだけではなく、コミュニケーション能力を測ることにも使えますので、覚えておいて損はないでしょう。

部下が上司を理解しないのは当たり前

 さて「なんでわかってくれないんだよ?」というのは子供の世界だけの話ではありません。上司が部下に、先輩が後輩に「なぜわからないのか?」「なぜ理解できないのか?」と苛立つこともあるでしょう。多くの人がそれを経験済みだと推測されます。

 ですが、落ち着いて考えてみると、本当は下の人のことは理解しやすいはずなのです。親には子供時代の経験があり、上司には部下時代の経験があります、先輩にも後輩時代の経験があるはずです。

 逆に下から上は理解しづらいのです。まだ経験していないことなのですから、なかなか理解できません。経験していないことを「わかれ」と言っても徒労に終わることが多くなるでしょう。そこには最初は見せかけでもいいので愛が必要です。経験値の高い人が低い人を理解するよう努め、フォローする気持ちが重要になってきます。最初は見せかけですので、本心からそう思う必要はありません。ここは日本人が得意な「本音と建前」をうまく使っていくのですね。

 本音と建前と言っても、スピードが重視される時代にそんな悠長なことは言っていられないという向きもあるでしょう。そんな時は少し高等テクニックになりますが、「黙って察する」を使いましょう。