当コラムの筆者である大城太氏が、師と崇める中谷彰宏氏を招いての対談も最終回。今回は、IoTやAIなど最新技術の使い方などについて尋ねた。何かを学ぶためには、どうしたら良いのか。中谷氏が最後に出した答とは。

中谷彰宏(なかたに・あきひろ)
作家。大阪府出身。大学卒業後、博報堂に入社。8年間にわたりCMプランナーとしてTV・ラジオCMなどの企画演出・ナレーションを担当。1991年に同社を退社し、「株式会社中谷彰宏事務所」を設立。ビジネス書から恋愛エッセー、小説まで多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。著作は1000冊を超す。私塾【中谷塾】を主宰。全国で、セミナー・ワークショップ活動を行う。(写真=深澤明、以下同)
中谷彰宏公式サイト

大城:今はネットがあって、いろいろな情報が見られるような時代です。それはうれしい時代のはずなのに、何か悪く目立ちたくないと思っているというか。だから若い人には動かない人が多いように感じています。

中谷:僕も大城さんも世代的には、もともとネットがないところから始まっていて、人の情報は直接会って手に入れる、これがベースにあったんですよ。情報は人に会って手に入れるということの中に、ネットがどんどん入ってきた。だから、過去のすべての情報の蓄積を考えたときに、ネットで入ってきている情報は実は1割に満たないんです。

大城:そうですね。

中谷:ところが生まれたときからネットがある人って、人に直接会っている情報の蓄積量が少ないので、そうするとネットから得た情報が9割以上を占めるかもしれない。生で会っている情報よりも。そうするとネットに左右されるよね、びくびくするよね。人に会って得ている情報が9割以上あればネットで少し叩かれても何ともないよね。そこの毀誉褒貶(きよほうへん)というのに一喜一憂しないです。

 ネットというのは生で人に会うためには便利なツールなんですよ。例えば初めて人に会うとき、事前にいろいろネットで調べてから会うとか。これがネットの使い方ですよ。生で人に会うためにネットを活用するべきであって、ネットを最終的なデータ源にしちゃいけないんです。

大城:入り口に使用することですね。

中谷:ネットでこれだけ調べられるのに、取材の際に、まず「ご出身はどちらですか」と聞く人もいる。おいおい、ネットは見ない主義ですかって。

大城:今、時代的にインターネットとかかわるビジネスというのは、伸びていますし、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)という言葉も毎日、新聞に載っています。ビジネスマンとしてはどうとらえていったらいいでしょうか。

中谷:AIのシンギュラリティーの問題。2045年にAIが人間を乗り越えるという議論がされていますが、これは勘違いです。確かに、5月に囲碁AIの「AlphaGo」が世界最強の棋士である中国の柯潔選手に勝ちました。

 ところがあの会場の隣の会場でもう1試合行われているんですよ。そのことを報道する記事はまったく載らない。何かといったら、人間とAIのダブルス戦が行われていたんです。実際は人間対AIの戦いなんかは起こらないですよ。人間とAIのダブルスでこれから戦いが行われていく。だから人間かAIかじゃないんですよ、ダブルス。人間とAIの組み合わせになるから、AIを使いこなしたやつの勝ちです。