個人でもそうで、例えばタクシーのチップ。けちくさいことはやっちゃいけない。10円のおつりをきっちりもらうとか、そこで止めてくれと言って、止まる寸前にメーターがカチッと回って、チッと言っちゃうみたいなのとか。100回に1回ぐらい、「あ、本を書いている大城さんだ」と思う運転手がいるかもしれない。そのときに、お釣り全部取っていたみたいなことをすると、結局損をする。

 今は、タクシーの中で例えば携帯で電話をかけているじゃないですか。名前を名乗るじゃないですか、大城太ですと。名乗った後はもうばれているからね、そしたらけちくさいことはやっちゃいけないんですね。

大城:中谷先生は有名だから大変ですね。

中谷:これは何かというと、例えば金メダリストは取るまでが大事じゃないんですよ。取るまでは技術の勝負。取った後は人間性の勝負なんですよ。金メダルを取ったからあの人はと、注目が集まってくる。ここからの勝負になる。だから、取るまでと取った後では精神修行のポイントが違う。

大城:ポイントが変わるということですね。

銀行強盗はなぜ捕まるのか?

中谷:取るまでは技術、取ってからは精神性、この精進が求められる。それからとにかく人と交流することで誰も損をしない状況をつくること。その場にいる人で損な人が1人も生まれないような状況をつくってあげるということが大事。

 広告代理店の話で言うと担当の人だけが得をしてもだめなんですよ、その上の人、その上の上の人、そしてその横の人、その横の横の人、それぞれにいる人が全員何かの得をする形をこの場でつくっておかなければバランスが取れない。それをやっておくと最終的に自分のところに回ってくる。

 もし銀行強盗をするとき、リーダーだったら「俺の取り前をよこせ」と言ったら終わりなんですよ。銀行強盗は何で捕まるかといったら仲間割れです。警察の捕まえる方法は簡単なんです。どうやって仲間割れをさせるかです、これだけ。仲間割れをしないためには、リーダーが全員を潤わせていること、そうすると裏切らない。

大城:そうですね。

中谷:ところがリーダーが先においしい思いをしていると終わりなんです。よくニュースなどで、銀行で3億円強奪と伝えられるけど、数字のキリがよ過ぎるよね。よく考えたらおかしいんですよ。また3億円かみたいな。実は、実際の数字より大きめに報道を出しています。そうすると、おや、2億円で山分けだったのに、どういうことだという仲間割れが起きるんです。リーダーがだましたなということで、仲間割れをし始める。そうすると足並みが乱れて、使っちゃいけないお金を使うやつが出てくる。11人捕まったら、お前は助けてやるから全部吐けと言って、もうぼろぼろ吐く。これが強盗事件で一番捕まるパターンです。

(土曜日公開の第3回に続きます)