「クレームばかり言う顧客」に効果的な誘導ワードとは

 クレーム処理のマニュアルでは多くの企業では「顧客の言い分は全部聞く」とありますが、これの目的は相手に吐き出させてスッキリさせるのと、要望として受け止める、という狙いがあると思います。華僑流で少し違うのは、言い分を聞きながら「相手の期待値を探る」ということです。

 中華系の企業は、お客さんにとってのいい企業になろうとしていません。最初から完璧を目指すのではなく、顧客からのクレーム情報などを機に、その都度期待値に応えていけばいい、と考えています。これはアメリカのアップルやグーグルのサービスを見ていても同じ感覚のように感じます。iPhoneなども適時アップデートなどを繰り返し、最初から完璧な商品としてマーケットに出そうとは考えていません。

 日本の多くの企業の場合は、商品やサービスのどこかに不備があった場合、全体から見直す場合が多いのではないでしょうか。華僑の場合、不備の部分だけ修正します。クレーム処理というのは、そのための顧客からのヒアリングなのです。

 というわけで、まずは顧客の期待値がどの程度なのかを推し量る必要があります。例えば、ファーストフード店やコンビニで接客態度が悪かったとしても、そこまで腹を立てる人は多くはありません。ですが、高級フレンチレストランなどに行けば、それなりのサービスを顧客は期待していますので、料理が美味しかったとしても、接客態度が悪ければ、クレームになりかねません。

 この時の顧客への接し方の基本は「how」になります。どのような、サービスをお求めですか? と質問します。どのようにすれば、ご納得いただけますか、とhowで会話を進めます。一方で、「why」(なぜ)を使うと、クレームが面倒になり、どんどん深みにハマっていきます。「なぜ、怒っているのですか?」という質問や「なぜ、このようになったのか」などの言い訳がこの類ですね。「how」は誘導を得意とする華僑がよく使う手です。

「何でも押し付けるいい加減な上司」は出世の踏み台に

 いくらいい加減だといっても、部下に全てを押し付けてくるというのは考えにくいです。いい加減な上司が課長だとしたら、次長や部長が課長を見ていますので「なぜこのような重要なことを部下にやらせているんだ」と叱られるような案件は押し付けてこないはずです。

 つまり、部下からは上司の仕事の全容は見えていないのです。そう考えれば、押し付けられるのも悪くないのです。全部でなくとも上司の仕事を知って経験するチャンスです。