日本人の特徴は東京五輪の象徴ともなった「おもてなし」の心がありますが、それが行き過ぎて、何でもかんでも気にし過ぎるという人も少なくありません。相手の言動を細かく気にして、「なんであんなことを言ったんだろう?」と怒りの気持ちを持ったり、はたまた嫌われたんじゃないだろうか、と落ち込んだりと感情の起伏に忙しい人が少なくありません。

 一度、嫌い・苦手というイメージを持ってしまった相手を受け入れたり、コミュニケーションを断ったりするのは難しいのではないでしょうか? ですが、好きか嫌いかで人間関係を決めるのはビジネスパーソンとして失格と言っても過言ではありません。ビジネス上の人間関係は得か損かで決めるのが正解なのです。

 個人主義の華僑たちは人をタイプ別に分類する概念を持っていません。分類するとするならば、「自分」と「自分以外」。華僑は仲のいい友達は社外におり、社内の人たちは全員その他大勢と見ていますので、そのまま真似することは危険です。想定外をなくすためにも、苦手なタイプ別に研究して対策を練っておくのも一つの手です。

 では、タイプ別に見てみましょう。

「攻撃的な取引相手」には、怯えず先回りを

 相手と自分の間に問題がないのに攻撃的な態度をとるのであれば、別のところに問題があると考えるのが自然です。例えば、社内で軽く見られているなどの不満があって、立場の弱い相手(取引先など)に強く出ているケースも考えられます。そういう時は相手が恥ずかしいことをしているということを本人に気づかせるのが有効です。

 「いつもキビキビ(ウジウジ)とご指摘(嫌味)をご教授いただきまして、ありがとうございます。弊社の経理部にも○○様のように、いつも毅然(嫌味な態度)とした感じで、仕事を遂行する者がおります。私はその経理担当者が大好きなのですが、最近の風潮は良くない感じになっておりますね。厳しいのは時代に合わないなどと、的外れな意見が多くて、笑ってしまいます(あなたをね)。いつも的確なご指示感謝申し上げます(滝に打たれる修行だよ)」

 ノーマルな感覚の人間であれば、このような言われ方をすると、自分を恥ずかしく思うものですが、それでも態度が変わらない攻撃的なタイプの人には、冗談を用意しておきましょう。

 「○○様、晩御飯に缶詰をポンと出されたことはおありでしょうか? 私はあります。以前のボーナスカットの時です。その時は3日で済みましたが、今回の○○様のご要望にお応えしようとすると、缶詰攻撃が1週間続きそうです」

 相手がストレス発散の意味を含めている場合でも、意味不明の冗談には調子を崩すでしょう。相手が調子を崩して怒り出すことも考えられますが、怒ってしまった後というのは誰しも自責の念にかられ、その怒ってしまった原因を考えます。そうやって遠回りで相手に伝えていく方法もあります。相手を混乱させたり、一人になったときの振り返りを先回りする、というのは華僑の常套手段です。