
夏のボーナス前年比増6年連続。最低賃金が政府の目安越えが全都道府県の4割以上など、賃金のアップを近頃よく目にするようになりました。がしかし、一部の業績好調企業が大幅アップし平均値を押し上げているのもまた事実です。連日目にする賃金アップの文字を見て、気分を悪くしている人も少なからずいるのではないでしょうか?
ネット社会になり、今まで見えなかったものがよく見えるようになったり、見たくない部分も目に入ってしまったりする機会が増えました。一般人から有名人まで、本来知るはずがなかった人の生活ぶりなどがSNSなどを通して見えるようになってきています。つい先ごろも、某有名人が自身のInstagramを削除するなどの出来事がありました。
自分よりも恵まれた人を見て「羨ましい」と思う場面が増えてきたと感じる人は少なくないようです。羨ましい、と思った時点で負けます。「羨ましい」の意味は広辞苑によると、「うら(心)」が「やまし(病が増す)」状態のことをさすと記載されています。また、人の境遇、資質などが自分よりも良いのを見てねたましい気持ち、とあります。妬みで心が病んでいる、そんな状態で自信を持って前向きに進むことなどはできません。
かく言う昔の私も羨ましいという気持ちを抱き、実際に負けていました。メーカーで営業マンをしていた時、社内のエリートたちと肩を並べるにはとにかく数字だと営業成績で自信をつけていた私ですが、一時期スランプに陥りました。
中途採用で転職してきたライバルにどうしても勝てなかったのです。学歴もあり、セールスのセンスもあり、上司にも気に入られている彼の営業成績は常にトップクラス。私は内心、彼は元から優れた資質を持っているし、業界にコネがあるから勝てるのだと羨み、努力することがバカらしくなり仕事に身が入らなくなってしまったのです。
妬みを「尊敬」に変えれば必ず得をする

今なら、このようなミスを犯すことはないでしょう。華僑のバイブルの一つ『近思録』の言葉に出会ったからです。「敬を主として以って其の内を直くす」。敬うことに集中して心を正す、いいなぁという気持ちを尊敬に変えるという意味ですが、これは綺麗事ではありません。いいものはいい、素晴らしいものは素晴らしい、と尊敬の念を持つことによって、自分自身が得をするように脳はできているのです。
ミラーニューロンというものをご存知でしょうか? ミラーニューロンとは目の前で起こっている出来事などを実際に自分も鏡で映したように感じ、経験しているかのように錯覚することをいいます。
目の前で素晴らしい出来事が起こっているのですから、それをそのまま脳に素晴らしいことと判断させておいたほうが、結局はその回路が強化され、自分もできるようになる可能性が高まります。ですが、それに対して否定的な感情を持つと条件反射のミラーニューロンの活動を阻害してしまい、うまくいかない状態の意味付けを脳にさせてしまうことになるのです。
Powered by リゾーム?