できる人、できない人、という言葉がある通り、社内でやり取りされる会話に「○○ができます、△△はできません」というものがあります。

 そうです、「○○ができる」アピールは「△△ができません」アピールでもあるのです。もっといえば、○○以外はやりたくない、という場合もあります。「できる」アピールは悪いことではありません。ですが、そのアピール通りすべてができるとは限りません。

 できる→任せる→まだできていません→できるのを待つ→コントロールが難しい

 やりたい→任せる→まだやれていません→やりたいのでしょ→コントロールが容易

 という形で仕事の進捗のハンドリングが全く違ったものになってきます。

 できない人にも「やりたい」と言わせる仕組み、仕事の区切り方は、職場を盛り上げるのに、もってこいです。

 ではどのようにして“ずるゆるマスター”は「やりたい」と言わせるのでしょうか?

 具体例をみてみましょう。

 中規模IT企業に勤める“ずるゆるマスター” D課長は、マネジメントが非常にうまいと評判です。Dさんは今まで経営企画室や渉外担当、経理部を経て、マーケティング部へと異動になりました。新しい自社商品を広くお客さんに知ってもらうためです。

 マーケティング部は総勢30名でDさんが異動になったのはその中のマーケティング2課。部下10名の指揮官という新しい船出です。

 チームを盛り上げるのがうまいDさんは、各部下のできることの洗い出しではなく、まずは「やりたい」ことのヒアリングから始めました。

 やりたいこと、といっても課のミッションや達成すべき目的を説明し、業務をできるだけ分解して細分化してからのヒアリングです。

 「できる人」「できない人」は前任の課長からの引き継ぎで聞いていますが、“ずるゆるマスター”のDさんはそれを参考程度にとどめ、あくまで「やりたい」と言わせる作戦です。

 Dさんがヒアリングで時間を割くのは「できない人」。一般的な新任課長はできる人にヒアリングをするものですが、そのあたりが他の課長たちと違うところ。

個人的な「好き」からスキルを発掘!

 「できない人」とレッテルをはられている人は、1つができないのではなく、全体的にスピード感に欠け、自信を失っているか、失いかけていることが大半です。

 D課長は、最初にYさんを呼びました。

 「Y君。休みの日は何をしているの?」

 「休みの日ですか?・・・」