「誰でも受け入れる」ために必須のスキルとは?

 さて、誰でも受け入れる「華僑流ダイバーシティ・マネジメント」を実践するにあたり、大前提となるスキルがあります。それは、自分軸で物事を捉えるスキルです。誰かを受け入れる前に、まずは「個」としての自分を確立しなければなりません。なぜなら、他人軸で他人を受け入れようとすれば、他人に振り回されるだけだからです。

 自分軸で物事を考えるというのは、常に「自分がどうありたいか」が基準になっています。周りから何を言われようが、自分が納得していればそれでいい。他人の視点や基準はそこにはないのです。例えば「私はこう思う」「私はこうしたい」など、主語になるのはいつでも「私」で、行動も主体的です。

 対して他人軸で物事を考えるというのは、「他人からどう思われるか」「他人はどう考えているのか」など、他人の考えが基準になっています。例えば、「○○さんがこう言っていたから私も……」「世間の評価がこうだから、私も○◯する」など、自分がどうしたいかではなく、他人の意見や考えに左右されて行動します。

「自分のために戦う相手は常に自分」

 最近よく言われる「SNS疲れ」はまさに、他人軸であることが原因です。知り合いがSNSにアップした楽しそうな写真を見て「いいなあ」と羨ましく思い、自分の現状と比べてもやもやしてしまう。「自分も楽しいよ、幸せだよ」とアピールするために、食事もファッションもレジャーも、会う人までも、他人に見せることを意識して選び、そこにお金を使う。最初は楽しめるけれど、だんだん無理が生じて疲れてしまう。

 そんな悩みを私も知人などから聞くことがありますが、疲れているのにやめられないという人は「ビジネス上のメリットもあるから」など、何かしら自分に言い訳をしています。そんな人へのアドバイスになるのが、華僑のボスのこの言葉。「自分のために生きたいなら、戦う相手は常に自分」。自分軸の人は他人とは戦いません。でも自分とは戦っているのです。自分と戦っているから他人軸にふれないと言ってもいいでしょう。

 他人軸で誰かを羨んだり嫉妬をすれば、人間関係はギスギスしてきます。人間関係がうまくいかないと感じるのは、ほとんどが他人軸になったときなのです。そういう時は、やたらと陰口が気になったり、周囲の「雑音」が耳に入ってきたりします。人の言っていることが気になるのは、思考が他人軸になっているからです。他人軸で物を考えて、「他人に振り回されている」という時点で、ライフサイクルの中ではもう落ち目です。もし、「他人に振り回されている」と感じたら、まずは自分軸で物事を決めているかどうかを確認してみましょう。