ましてや、人より頭一つ抜きん出ようと考えているのであれば、他の人と同じ事に危機感を覚えるくらいでちょうどいいのです。周りの多くの人が始業15分前に出勤して来る文化のある会社なら1時間半前に出勤してみてはいかがでしょうか? 特別なアイデアなど持ち合わせていなくても、それを1年継続すれば周りのあなたを見る目は確実に変わる事でしょう。

 会議資料や過去の見積もりなどをファイリングしている人が大勢いる部署に所属しているなら、それらをスキャンしてクラウドサービスにすべてアップしておけば、外出時に突然上司やお客さんからその資料を求められた場合でも、わざわざ会社に戻ったりせずに「はい、こちらに」とスマホやタブレット、ノートパソコンから即座に提示することが可能になります。 

 人より抜きん出る方法は落ちているものですから、「みんながやっていないことを探す」「みんなができないことを探す」「みんなと同じになっていないかをチェックする」というのがとても大切な作業になってきます。

 「みんながやっていないこと」と聞くと作業のやり方や方法論ばかりを考える人が多くみられますが、それはごく一部です。みんながやっていないことは、当然として人間関係にも及びます。サボっている人や、「あの人は出世の見込みがないよね」、と囁かれている人に接触しないようにする人は多いですが、逆です。ダメとレッテルをはられた人との交遊も、人と違うことですので、華僑は推奨します。ダメ、無理、とレッテルをはられるからには何か理由がありますので、それを知らずしての食わず嫌いはよくありません。

 ダメとレッテルをはられている人と付き合うことによって、その人が犯してしまったミスを教えてもらえる可能性もありますし、実は優秀なのに単に派閥などの権力闘争に巻き込まれただけかもしれません。

 “ずるゆるマスター”になるためには、おおっぴらにそのような評判がよくない人とつきあうことはありませんが、避けていては普通の道をたどることになってしまうでしょう。この場合の「普通」は、できると評判の人と付き合ったり、権限のある上司とばかり付き合ったりすることです。これをするとかなり競争率の高い勝負に挑むことになります。大半の人がこのような行動をとるので、頭一つ抜きん出るのに苦労するのですね。評判のいい人や権限があり上昇気流にのっている上司は、ダメとレッテルをはられた人とは距離をとっていることでしょう。ですが全く無視するわけにもいきませんが、あなたがその人の情報を掴んでおけば、何かのタイミングで、できる上司への情報提供という名のチャンスが舞い込んでくる可能性は大いにあります。

「みんなの行動」からズラしてみる

 具体例をみてみましょう。

 総合電気メーカーに勤める“ずるゆるマスター”の課長Sさん。営業推進本部という、この会社では花形と言われる部署に最近転属になったばかりです。

 誰かが花形部署に異動になるときは、やっかみや羨望がささやかれるのが常ですが、ことSさんに関しては、不思議とそれが自然の流れかのような空気が社内にただよっていました。