国の2016年度の税収が7年ぶりに前年を下回るようです。税収実績が前年割れするのはリーマンショックの影響を受けた09年度以来です。税収が減れば、急を要する需要などに対応しにくくなります。2020年に迎える東京五輪特需がある現在でさえこのような状況です。五輪後のことをビジネスパーソンはしっかりと見据えておく必要があります。

 先を見るために必要なことは歴史に学ぶことです。歴史は繰り返す。これは世界各地で言い古された感がありますが、繰り返してきた歴史があるから、古今東西でそう言われているのです。 

 お金儲けの代名詞のように言われることさえあるユダヤや華僑は、子供の頃から家庭教育で歴史を学んでいます。この教育とは学校の教科書で習うようなものではありません。過去の名言や偉人の話を絡めて教育されることが多いのです。

 ユダヤと華僑ではどちらがビジネスが上手なのか、というのはあまり意味のない議論です。日本には日本の、ユダヤにはユダヤの、華僑には華僑のいいところがあります。ただし、私たち日本人はコメの作り方から箸の使い方まで半島を通じて大陸から学んできました。東洋思想と呼ばれるものしかり。そういう観点からみると日本人が学びの原点としたいのは、中国古典になります。中国古典は聖書と同じように世界中で翻訳され、各時代それぞれの賢人たちがそこからヒントを得てきました。本国から異国の地へ出てビジネスで成り上がっていく華僑も例外ではありません。 

 一部の企業は五輪特需やアベノミクスの恩恵をうけているようですが、それがそのまま勤めるビジネスパーソンの生活の向上にはつながっていないのが実情です。一時期よく目にした二極化という言葉も目にすることがめっきり減りました。これは二極化がなくなったのではなく、二極化が固定されたので、敢えて取り上げる言葉でなくなったことを意味します。

 二極化のどちらに位置する人かが固定されたといっても、それは現状のままであれば、という前提条件付きです。未来がどうなるかはお伝えしているように、歴史に学ばなければわかりません。

苦境・逆境は「次のステージへ進め」のサイン

 歴史に学ぶのは非常に骨の折れることだ、というイメージがあります。しかし、それが骨折り損のくたびれもうけではないということを表す言葉を少し長いですがご紹介しましょう。中国古典の基本とされる四書五経の四書『論語』『大学』『中庸』『孟子』の中の孟子の言葉です。

 「天の将に大任を是の人に降さんとするや、必ず先ず其の心志を苦しめ、其の筋骨を労せしめ、其の体膚を餓えしめ、其の身を空乏にし、行うこと其の為すところを払乱せしむ」

 意味としては、天が人に重大な任務を与えようとするときは、必ずその人の精神や心を苦しめ、その肉体を疲労困憊させ、その生活を困窮させ、する事なす事を全て意思とは違うようにさせる、となります。華僑はこの言葉を胸にどんな逆境でも乗り越え、ビジネスパーソンとして成功し、帰国して故郷に錦を飾るために頑張ります。