憂鬱の原因に対する誤認と対策

 前述した、4つの仕事が憂鬱になる理由を再度見ていきましょう。

  1. 思った様に仕事が進まない
  2. 自分が感じているより仕事の評価が高くない
  3. そもそも仕事の量が多すぎる
  4. 関係者(部下などが思った様に動かない、育たない)に困っている

1.思った様に仕事が進まない

 これは、自分の仕事をこなすスピードを誤認している可能性が高いです。

 単純にスキル不足ですので、求められているスキルが何なのか、を理解することが先決です。求められていることを理解していないので、やみくもに頑張る必要がでてきて、「やる気」が必要になってくるのです。目的地もわからず、地図も持参せずに旅に出るようなものですね。その作業、仕事に必要なスキルを見極めることから始めましょう。

 必要なスキルがわかれば、その気になってそれを身に付けていきます。その気になるためには脳の「作業興奮」を使います。作業興奮とは、やっているうちにその気になってくる脳の特性のことです。朝一番は脳が疲れておらず冴えているので大切な事から取り組んでいきましょう、と言われていますが、スポーツと同じで仕事脳もウォーミングアップをいかにするかで怪我を防ぎ、高パフォーマンスを発揮します。

 朝の始業時や昼食後すぐ、残業突入などの区切りの始めに、経費精算やメールチェック、メモ書きなど、簡単なモノ、コトから取り組み始めて下さい。あなたも経験したことがあるかもしれませんが、簡単なことをしていると、あら不思議、なんとなくその気になってきます。その気になってきたらそのままの勢いを維持するだけです。疲れたら休憩し、また簡単なモノ、コトから始め、その気になるのを待ちましょう。

2.自分が感じているより仕事の評価が高くない

 これは多くの人に見られる傾向ですが、評価というものは他人がするものなのに、自分でしてしまっている、という誤認があります

 評価者は誰なのか、またその人はどのような人物、仕事、振る舞いに対して高評価をしているのかを調べないといけません。学生時代の傾向と対策を忘れているビジネスマンが多く散見されます。あなたも学生時代の定期考査では担当教諭の対策をしたでしょうし、受験する学校の過去問を解いて暗記して対策をしたはずです。やり方は同じですね。

 自分を評価している人、上司かもしれませんし、お得意先かもしれません。その人達のご機嫌取りをしましょう。何もおべっかを使うだけがご機嫌取りではありません。

 その対象により、ご機嫌取りの仕方・方法は様々です。あなたが憧れているあのミュージシャンもあのカリスマもあの作家も、見えない所で関係者各位にゴマスリをしています。それが卑屈かどうかが問題なだけで、周りの人のご機嫌取りをするのは悪いことではありません。周りが機嫌良くなれば、こんな素敵な社会貢献はありません。これぞ、真の処世術です。

3.そもそも仕事の量が多すぎる

 これはいわゆるキャパオーバー状態ですので、しゃかりきにやる気をださないと仕事が片付かない、終わらないと誤認している状態です。

 一つひとつの仕事には締め切りがあるだけです。それぞれの締め切りに間に合わないのは、見通しに甘さがあるか、的確な判断を下すための材料が足りていない証拠です。

 仕事が多いと感じるのは、あなたにとって多い、だけかもしれません、ひょっとすると上司の▲さんがやれば、即座に片付く類いのものであれば、飛躍のチャンスをもらっているだけですので、苦しむのはナンセンスです。

 1.と同じ様に締め切りを守るための材料集めの簡単なものから始め、その気になってくるのを待ちます。また、上司やお客様も仲間としてとらえ、一緒にその仕事に巻き込んでいくことによって、やる気ではなく、その気になってくる可能性も大いにあります。

4.関係者(部下などが思った様に動かない、育たない)に困っている

 これは、他人と過去は変えられない、という“常識”の罠に足をとられています。

 変えられるのは自分と未来のみ、と勘違いしていませんか? そんなことはありません。自分が変われば他人も変わりますし、未来を変えれば、過去の意味付けも変わります。自分以外のモノ(他人やコト)に振り回されているから「やる気」を出して頑張らなければならないのですね。

 部下の成長も子どもの教育も根本は同じです。あなたがいくら「やる気」を出せとハッパをかけても、本人がその気にならなければ、成績や業績が上がることはありません。

 「過去」に「他人」から「それはダメでしょ」と烙印を押されるようなことがあっても、「未来(これから、もしくは今)」に「自分」が素晴らしいことをすれば、過去のその失敗も、素晴らしい未来の糧だったのね、と他人から自分への評価も180度変わりますので、安心して、暗い過去は忘れて下さい。