首を突っ込みたがる人には「CC」が効果的

 「次に横からというのは課長同士のあり方だね」

 「部長もご存知のW課長に頭を痛めております。彼は大得意先のW社の社長の甥っ子ですので、同期ですがハッキリと何かを言って機嫌を悪くされたら報復が怖いので、どうしたものか…」

 「わかるよ。W君は非常に強いコネをもっている。だからと言って、ビジネスパーソンとして困った困ったと言っていては何の免疫もつかない。彼は強力なコネを持っているから、R君たちのような強い上昇志向もなければ、責任感も若干薄いかもしれない。その手の人たちとうまく付き合う方法は簡単だよ。頼っていけば逃げるだろう。

 様々な案件に首を突っ込んでくるだろうから、メールの全てに(CC:W課長)と入れるのも一つだ。W君は自分にも責任が及ぶのを察知するから、R君への干渉をやめると思うな、一度試してみて欲しい」

 「はい、かしこまりました」

「上昇志向を隠したい」部下もいると心得る

 「最後に下から。最近の若い人たちは言われたことしかしない、会社外での意思の疎通を嫌がる。これはどこの会社でも中堅が頭を抱えている問題だね。最近の若い人たちはああ見えて、実は非常に計算が得意なんだ。やる気がないわけではない、やる気がないどころかSNSなどのつながりで近い世代との格差が見えやすいので実は上昇志向を隠すのに長けている。目立てば叩かれるのがネットの特徴だからね。

 だからその逆をいく。目立たなければならないような業務命令を出せばいい。もしくは、言われたことしかしないのであれば、たくさん言えばいい。言うことのレベル、濃さを上げていく。これは上司として非常にやりがいのあるマネジメントだと思うよ」

 「部長、ありがとうございます。非常にスッキリとした気分になりました」

 「では、忘れないように締めくくりに一つ。中国に陰陽五行という概念がある。詳しく知る必要はないけれど、陰陽とは静と動みたいなもの。常に静もいけない、何をしているか全くわからないからね。常に動もいけない、目立ちすぎるからね。そのバランスがわかった時、R君はもっともっと素晴らしいビジネスパーソンになるだろう。陰陽のどちらのポジションか迷った時は必ず陰のポジションを取ることも忘れてはいけない。迷って焦った状態は陽になりやすいので、それだけはミスしないようにね。長いビジネスパーソン人生を勝ち抜く知恵だよ」

 日々なんとなく陰陽を意識するようになったRさんは、1カ月後にはK部長に相談にきた時とは別人のようにハツラツとしています。いつも爽やかなあの人は陰陽のポジション取りをしっかりとわかっている“ずるゆるマスター”かもしれません。

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