どうでもよさそうな些細なことも含めて、できるだけ多くの人と日々の出来事や情報を共有しておくことで、1聞けば10分かる、さらに1言うだけで相手に10分からせる「話の早い人」になることができます。そして「話が早い人」は周囲の信頼、評価、協力を得やすいので仕事がスムーズに運び、「仕事が早い人」になれるのです。

「なんでも話しやすい人」になるコツ

 共有事項であれば、会社でシステム的に情報共有をしているよ、という人も多いと思いますが、ツールを使っての文字情報には限界があり、誤解も招きやすいという欠点があります。ムダな回り道を避けるためにも、なんでもかんでもツールではなく、直接または電話で話して情報の質を高めることが大事です。

 時短の側面から見ても、メールで文章を書くよりも話した方が早い場面は多いです。ですが「働き方の多様性」という流れもある中、周囲の多様性に対応できない人、コミュニケーションを押し付ける面倒な人などの烙印を押されては、本末転倒になってしまいます。話をする際にはまず目的を明確にし、ポイントを踏まえ、コツをつかまなければなりません。

 目的は、話が早い=仕事が早い人になるための情報共有ですから、自分のことも話す必要があります。自分のことを知っておいてもらえば話がスムーズになりますし、また情報を隠されないためにはまず自分が隠してはいけません。自分の情報の開示については弱みを露呈しないよう慎重にコントロールしつつ、そして周囲の人々の情報に関しては(それと悟られずに)幅広く把握するのがいいでしょう。

 ポイントとしては、「なんでも話しやすい人」の雰囲気を作ることです。ツールを使いなれた若い世代はツールで完結したがり、直接の対面や電話で話すことを嫌ったりする傾向があるため、年配者は躊躇してしまうことが多々あると思いますが、「説教を聞くのではなく話を聞いてくれるなら良い」というツール世代の若者は多くいます。人間は感情表現をしないとストレスがかかるものです。それは各種ツールが発達しても古今東西変わらない不変のものです。

 なんでも話しやすくするコツは、「話すは短く、聞くは長く」「自分のしたい話をするのではなく相手の話を聞く」の二つです。この二つを常に意識することによって、周りの人から見ての話しやすさは随分と変わります。まずはここからですが、既にできている人に向けて、さらに踏み込んで華僑流の「思わず話してしまう」術をご紹介します。

「事情」は心を開かせる便利なキーワード

 「思わず話してしまう」術とは、「事情」という言葉を使う方法です。自分が不利になることは隠そうとするのが人間です。ある意味本能に近いものがあります。本能に近い「隠す」という思考が人にはあるという前提に立てば、少々問題があっても報告せず、明らかにミスしたとなれば言い訳を並べ立てる人の気持ちが、手に取るように分かるようになります。

 人が言い訳をし出した時に注意すべきは、「それは言い訳だ」と拒否、否定しないことです。理由は簡単で言い訳を拒否すると真実、本音を言わなくなるからです。そこで、「事情があるんでしょ」といえば心理的ハードルが一気に下がります。相手に「これは言い訳じゃなくて事情の説明だ」と思わせてあげれば、隠したり取り繕ったりする必要を感じなくなり、正直に話しても大丈夫だという気持ちにさせられるのです。