2018年になり1カ月が経過しました。1年の計は元旦にあり、ということで年初に様々な目標なり、計画なりを立てた人は多いのではないでしょうか? 多くの人は何かをやろうとするとき完璧になるように計画を立てがちです。会社の新規プロジェクトなどで例えると、会議に会議を重ね、緻密な計画を立ててから動く、という形になります。

 昨年までは目新しかったAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)という言葉を新聞雑誌やネットニュースなどで目にしない日はなくなり、当たり前になってきた感があります。コンピューターの世界は日進月歩でスピードが命運を分けることがよくありますので、それに伴い私たちビジネスパーソンもスピードがなによりも優先されるのが当たり前の社会になりました。今やどこにいてもスマホで何から何までほとんど事足りるようになった現代において、その先端先端がシリコンバレーから中国に移っている分野も出てきました。

 そんな中、華僑たちは「計画ありきは失敗の元」を合言葉にスピードをどんどん加速させています。日本人の多くは「計画の不備は失敗の元」と考え行動することが多いので、正反対の行動思考をもっていると言っていいでしょう。

 華僑たちがよく使う言葉に「計画より観察」という言葉があります。これは次の『孫子』の言葉が根底にあります。「勝つ可からざるは己に在るも、勝つ可きは敵に在り」です。意味としては、負けない態勢づくりは自分次第だけれども、勝つかどうかは相手次第、となります。

 プライベートな付き合いにおいても、ビジネスにおいても、常に相手があります。計画とは自分サイドの都合の話ですので、相手がこちらの計画・都合通りに動いてくれるとは限りません。

 華僑が「計画ありきは失敗の元」というのは、計画通りを重視するあまり、相手の出方によって臨機応変に対応を変えることができないという、独りよがりの弱さを理解しているからにほかなりません。

「PDCAよりOODA」と言われるのはなぜか?

 日本でも最近目にするようになった「PDCAサイクルよりOODA(ウーダ)ループ」。「計画より観察ありき」の華僑たちの考えに近いかもしれません。

 PDCAサイクルは計画から始まる4つの段階を回していくものです。P(Plan、計画)、D(Do、実行)、C(Check、評価・検証)、A(Act、改善)です。一方、OODAループは観察から始まる4つの段階を回していくものです。O(Observe、観察)、O(Orient、情勢判断)、D(Decide、意思決定)、A(Act、実行)です。

 PDCAは品質改善、OODAは意思決定、とそもそも目的が違いますので、本来はどちらがいいのかという比較をするものではありません。それにも関わらず「PDCAサイクルよりOODAループ」と言われるのは、変化への対応が喫緊のテーマだからです。ダーウィンの進化論でも有名な「強いものが生き残るのではない、変化に対応したものが生き残る」と同じ論点と考えてもいいのではないでしょうか。変化に対応するためには観察が欠かせません。