“生き物”として不自然な在り方にならないようにするためには、「心=身体」の声に耳を傾けるように心がけることが大切です。それは何も難しいことではなく、食事時に自分の「身体」に「何が食べたい?」と問いかけてみるだけでいいのです。このささやかな一手間こそが、「心=身体」を尊重することにつながるのです。

「ガソリン補給」のような食事はやめて、自分の「身体」に「何が食べたい?」と問いかけてみることを習慣にしよう(写真:marcomayer/123RF)

料理にも即興性が必要

 次に、料理について考えてみましょう。

 最近では、ネット上であらゆる料理についてのレシピが簡単に手に入るようになり、多くの方たちが便利に利用していることでしょう。かく言う私も、なじみのない食材を使う料理の時などには、その情報を参考にしている一人です。

 しかしながら、これが「毎回レシピを見ないと作れない」とか「いつまでも厳密に計量スプーンを使って計らないと気が済まない」、あるいは「何を作りたいのか考えつかないので、いつもレシピを見て決める」となっているとすれば、少々心配なところがあります。

 料理を本当に美味しく作るための隠れた必須条件は、「即興性」です。

 気候や気温、季節や食材の状態の違いに応じて、切り方や加熱時間、塩加減なども微妙に変わってくるのが自然で美味しい料理です。ですから、いつも計量スプーンや計量カップ、キッチンタイマーで同じように測定された即興性に欠ける料理には、どうしてもぎこちなさと不自然さがぬぐいきれず、どうしてもそれが味に表れてしまうのです。

 家族や恋人が自分のために一生懸命レシピを見て料理を作ってくれる姿そのものは、とてもけなげで嬉しいものではあります。しかしその料理が、手慣れた人が即興性と勢いをもって作ってくれた料理の美味しさにどうしても及ばないところがあるのは、そういった要素が大いに関係しているのではないかと思われるのです。

自然で美味しい料理を作るには、気候や気温、季節や食材の状態の違い…などに応じた「即興性」が重要なポイントになる(写真:jackfrog/123RF)