自家用機の操縦免許を取得するためには、実機で飛行訓練を行う。1回の飛行は1時間ほどだが、免許取得までには数十時間の飛行訓練が必要で、そのための燃料費は当然ながら訓練生の負担となる。米国の場合、1回あたり日本円にして5000円前後だ。これが、電動機だと約1/10になるのだという。電気自動車には、ガソリンに比べて電気代が安いという利点があるが、同じ構図だ。日米では燃料価格やかかっている税金などに差があるので全く同じというわけではないが、「電気のほうが安い」という点は変わらない。

 現状の電動機は、あまり大容量の電池を搭載できないので航続時間が短い(ただし太陽電池を動力源にすると、航続時間はぐっと延びる。とはいえ、太陽電池を使うソーラープレーンの設計にあたっては、重量や飛行速度、機体強度など解決すべき課題がかなり存在する)。このことは1回の飛行時間が短い飛行訓練ではデメリットとはならない。つまり、運行コストが安いというメリットだけが残ることになる。

 今回、スロベニアのメーカー、Pipistrel Aircraftが電動の練習機「Alpha Trainer」を出展していた。免許取得コストの低下は、免許取得人口の増加、ひいては産業規模拡大にもつながるので今後の動向は要注目である。

Pipistrel AircraftのAlpha Trainer(上)、機首に搭載された電動モーター(下)。モーター出力は50kW(67馬力)。
Alpha Electroの操縦席。操縦席は教官と練習生が並んで座るサイドバイサイド形式。