
展示されている機体は、個人所有や有志による共有、つまりは個人の意志でメンテナンスされ、飛行可能状態を保っている。そして――これがオシコシにおいて重要なところだが――参加方法は基本的に「フライ・イン」。つまり自分で操縦して飛んできているのである。
個人参加者は自分の飛行機を操縦し、オシコシまで飛んできて、それぞれのエリアに駐機し、自機を展示する。それぞれのエリアにはキャンプ可能な駐機場も用意されていて、自分の機体の横にテントを拡げて1週間寝泊まりし、自分の機体を展示して自慢しつつ、時には飛んだりして、ゆっくりとエアショーを楽しむ。

即売会であり、学会であり、セミナーであり、工作教室であり
これら4つのエリアの他に、格納庫や整備棟のあるエリアは、展示や即売、コンファレンスやワークショップに使われている。4棟の大型格納庫は、プロペラやエンジン、航法機器から、航空用の配管やバルブ、さらには飛行機グッズやサングラスに至るまでの即売会場となっている。また展示エリアには大手からベンチャーに至るまでの自家用機メーカーが出展し、自社製の自家用機を始めとした製品を展示している。
ここには「EAA Aviation Gateway Park」という一角が設けられており、米航空宇宙局(NASA)が航空機技術開発プロジェクトの展示をしていたり、技術系ベンチャー各社が自作航空機・自家用機の最新技術状況をアピールしていたりする。人が乗らない無人機に関する展示やデモンストレーションもやっている。さらには全米の航空系学科を持つ大学が出展していて、有望な学生の募集に余念がない。
コンファレンスでは、主に自家用機分野(ゼネラル・アビエーションという)の現状や展望、未来についてのセッションを聴講できる。
ワークショップは、オシコシを象徴する演し物と言えるだろう。建ち並ぶ小規模な格納庫で、希望者に対して板金や溶接、発泡材の切り出しや被覆材の張り付けなど、航空機の自作に必須の加工技術を実習を通じて教えるのだ。
今回は「One Week Wonder」と題して、ホームビルト機のキットを、1週間で組み立てて、航空局の認証を取得し、飛行するという演し物があった。機体は完成し、会期中に地上滑走まで漕ぎ着けた。
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