居林:2000年当時のマーケットでは「インターネットは究極の成長ストーリーだ」というコメントをしていた人がいるのを今でも覚えています。確かにインターネットは多くの超成長企業を作り出すことを可能にしたのですが、それでも株式市場としては2001年にはインターネット相場は終わり、多くの会社の株価が過大評価であったとその後知ることになります。

 企業業績の伸び(予測)は、現状、前年比でプラス10%とGDPより遥かに高い数字です。業績と株価だけが「上がり続ける」ことはないのではないでしょうか。

 2018年をみる上での私の視点は、企業収益の変わり目なのです。これが2017年とは違う。というのは、今までは業績は穏やかにピークアウトしてゆくというシナリオだったので、株価が適正水準を上回ったら売り、下回ったら買い、というのが、投資の基本的なロジック、と以前にご説明しました(こちら)。

日経平均とTOPIXの予想純利益を比較
日経平均とTOPIXの予想純利益を比較
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 現状はまだ適正な水準の範囲内だと思います。しかし、2018年には企業業績から見て株価化上なのか、下なのかという投資判断よりも重要なものが出てくると思います。

ネットバブルの夢ふたたび

 それは、企業収益自体が伸び続けるのかそれともピークアウトするのか、ということだと思います。これは株式市場の企業業績に対する期待値が上がっており、しかし歴史的にみると注意の必要な時間帯に入っているということを考えているからです。

景気の転換点は株価の転換点――アメリカの失業率、日本の株価
景気の転換点は株価の転換点――アメリカの失業率、日本の株価
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 この時間軸の話をもう少し別の角度からしてみます。これは米国の失業率と日経平均株価のグラフです。ご覧の通り、綺麗な逆相関がありますね。下がったところはITバブルの崩壊と、リーマンショックです。一方でピークは、米国の景気指標の失業率が4%に下がったところです。

これはどういうことなのでしょう。

居林:世界景気がピークを打てばそれは株価にマイナス。しかし、景気が過熱して、当局が引き締めに動くときも株価にはマイナスになるということです。足下の業績は確かにいい。しかし、中国特需も含めてピークに近いように思えます。PERで見ればすぐ分かりますが、突出してパフォーマンスがいい(特にPERが目立って高い)銘柄は、投資家の反応が、業績の上方修正に対して過剰なように見えます。

 時代的に言えば、我々は2000年のインターネット黎明期の進化バージョンを見ているのかもしれません。クラウド、AI、スマートファクトリーなどなどです。無論、歓迎すべきなんですが、技術と株価は別です。インターネットはすばらしい技術ですが、一方でネットバブルも作った。技術の価値は落ちなくても、株価は勝手にすばらしくなくなることもある。絵画と違って持っているだけでは価値がありませんから、手放さねばならないこともある。

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