居林:話を戻しますと、FRBは2014年中頃までに、拡大開始時点と比べてマネタリーベースを4倍にしました。日本もこの夏ごろに4倍に。ECBは2倍強。これによって先進国の企業業績は支えられたわけです。このあたりが限界だと私は見ています。日銀はすでに発行済みの国債の4割を保有するに至りました。今後もこのペース、年間80兆円の買い入れでマネタリーベースを増やすとすると、保有残高が年7~8%も増えることになる。これはさすがに無理でしょう。

日本銀行の国債保有比率
出所: 日本銀行、 UBS、 2016年12月

 なるほど。では企業業績は。

居林:2018年3月期までの、私の予想数字はほぼフラット、現状並みです。

 アナリストのコンセンサス予想では、今期(2017年3月期)は、かなり楽観的な予想が出ているようです。来期についても、“トランプ旋風”で強気な見方が表れていますが。

居林:ようやくトランプ氏が出てきました。直近の日経平均の上昇からも先行きへの期待感が高まっていることが見えます。米政府が支出を拡大し、減税を行い、米国景気が回復し金利が上昇、その差分で日本は金利安、円安のメリットを享受できる。強気な見方の背景は、だいたいそういうお話ですよね。

 はい。

居林:では、ここで私の見解をお話しましょう。

米国景気は回復する。異議なしです

 お、いよいよ答え合わせですね。

居林:まず、トランプ次期大統領は、政府支出を増やし、減税、メガ公共投資を行うのか。答えはイエスでしょう。

 次に、この減税と公共投資で米国の景気が良くなるのか。これもイエスでしょう。インフレも起こるでしょう。

 だったら米国株に投資すべきか。限定付きでイエスです。先進国株式に投資する、という前提ならば、すでに高い水準にあるとはいえ、米国しかないでしょう。

 ここから先が市場の見方と違う点です。米国は金利を上げて日本との金利差が拡大するのか。ノーでしょう。米国の金利は急には上がらないと見ます。ただしこれは、近々あると見られるFRBの「金融緩和終了」の分は含みません。ずっと予告されてきたので、その影響はすでに市場が織り込んでいるからです。

 なぜですか?

居林:単純です。利上げは米国の景気にマイナスだからです。また「そもそも」の話になるんですが、そもそも、トランプ氏はなぜ当選したのでしょうか。私たちは見事に予想を外しましたが、その分、どうしてそうなったのかを一生懸命に考えたわけです。