ごぶさたしておりました。

居林「シン・ゴジラ」にひっかけて記事にして以来ですか。もう年末、早いですねえ。

 当時、といっても9月ですが、私、記事の中で「トランプ氏が(米大統領に)就任したら、ゴジラ並みの影響があるかもしれませんね」と、呑気なことを言っていました。まさかの展開で、しかも、日経平均は1万9000円超えで円安になるという、“まさか”と言いたいくらいラッキーな展開になっています。輸出企業の業績回復、米国を中心に世界景気が回復する、などなど、しばらく追い風が吹くという予想がどんどん出てきました。

居林:皆さん、強気ですよね。

 本コラムのタイトルの「ときどき台風」が、まさしくやってきたようです。ということで、今年の〆はずばり、“トランプ旋風”の進路を占っていただけませんでしょうか。これに乗るべきか、引くべきか。

居林:なるほど。この連載を読んできていただいた方には、またとない頭のトレーニングになる題材ですね。乗るか、引くか、そしてそれは何故なのか、ここで一度5分ほど考えてから、先を進めましょうか。

迷ったら、基本に戻る

 さて、正解は。

居林:今年の2月に連載を始めてからいくつか繰り返し申し上げていることがありますよね。市場はそもそもぶれる。それも案外大きく、周期的に。言い換えれば絶えず混乱し、ノイズに左右されています。何もなくても日経平均で3割程度、個別銘柄なら4割。大変大きなボラティリティー(価格変動)がある。それはなぜでしたっけ。

 ええと…株価を決めるプレイヤーが、株主のうちごく僅かだからでしたね。少ない株式がやりとりされるだけで株価が大きく動いてしまう。昨年1日当たりの、売買されたトヨタ株の平均は、全体の0.26%だった、と。

居林:そうです。少数の投資家が、固有の判断で株を売るだけでトヨタ株が下がり、それを見てほかの株主が「持っていると損をするのでは」と釣られて売る。この波及で現実のあれこれと関係なく株価が動く。そもそも、トヨタの企業価値が1年の間に数割上下するわけがない、と、本来は考えるべきでしょう。

 はい、第1回でうかがいました

居林:一方で、市場はまったくアトランダムに動くのかというと、そんなことはない。トレンドはあります。

 予想企業収益でしたね。5月の回で詳しくお聞きしました。

TOPIX500予想純利益と、日経平均
出所:Bloomberg、UBS 2016年12月

居林:業績予想をトレンドラインとして、株価の推移と重ねて見る。つまりPER(株価収益率、Price Earnings Ratio 1株当たり純利益に対し、株価が何倍まで買われているかを表す)です。現在の日本市場の適正PERは13~15倍)程度だろうと思います。

 でも、ブレでもトレンドでも、目に見える株価の動きは区別がつきませんよね。

居林:ええ。後から時間軸を振り返ると、当時はブレだった、あのときがトレンドの変化点だった、ということがようやく誰の目にも分かります。

 ではどうやって、「いまの株価の動き」が、単なるノイズ、ブレなのか、それとも方向性、トレンドなのかを見分けるのでしょうか。