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居林:こんな分析もありますよ。

居林:これは業績予想(12カ月先)の今年4月から直近までの変化幅と同期間の株価の変動をマッピングしたものです。業績予想が下がって株価が下がるのはいい。上がって上がるのもいい。業績(予想)が下がって上がるのは今回は投資対象ではない。しかし、業績(予想)がほぼ同じか上がっているのに、株価が下がる会社がけっこうあるんです(図の右下、ブルーの枠内)。

それは、どう思うべき状況なのですか。

居林:「それはないでしょう」ですね。なので、溶けた真ん中を買いに行く、という投資戦略が来年一番報われるだろうと考えています。簡単に言うと、売りすぎた外国人投資家が戻ってくるときには、やはり日本を代表する国際優良銘柄から買いが入る、という判断です。

 業績がいいのに割安な銘柄が増えていて、来年春からは時間軸的には「戻る」と見ます。1年持てるならいま買っていいし、インデックスを買いたいなら2月まで待つ方が得策でしょう。

 改めてまとめますと、現状は普通なら素直に買うところですが、市場の前提条件が変わった。もう一段下げたらさすがに出動だけど、さっき言った外国人が買わない株が動かないので下がりきらない。

 だけど、上のレイヤー、海外投資家が好んで買っていた銘柄は、すごく安くなっている。相場全体では「下げきっていないように見える」のですが、個別で見ると下げきっているものもあるからそこから買いませんか。という、珍しい結論になりました。

バブル的に買われた反動

理解力が低くてもうしわけないのですが、海外投資家が、好業績で成長力もあるGAFAやトップパフォーム企業群を「売ろう」と決断する背景を、もう一段噛み砕いて解説していただけませんか。

居林:一言で言ってしまえば「米中貿易摩擦」です。が、この場合は複合要因の部分もあります。

 振り返ってみれば、去年から今年の頭にかけて、市場はゴルディロック(適温相場)に陥り、買うべきテーマが見つからなくなって、お金が特定の銘柄に集中しました。危険な兆候でした。「他に買う物がないから」と、GAFAや好業績の企業群に集まっていった。これが一転して下がったことで「持っていたら危険だ」と、パニックを起こしたんでしょう。業績は高水準でも大きく売られる、この業界には長いですが、今まで数回しか見たことがないケースです。

投資する側に確固たるテーマがあったわけじゃなく、「上がっているから買う」という、バブル的な買われ方をした反動ですか。個々の企業のせいではない、いわばとばっちり……。