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居林:外国人投資家は17年に日本市場のトップパフォーム企業群を大きく買い越して、今年に入って3月の急落時に一気に手放した。その後2兆円程度買い戻しが入りましたが、ここに来て再度大きく売り越しています。アベノミクス開始時から14兆円ほど購入して、そのうちの10兆円を売っている、と言えばそのインパクトの大きさがわかっていただけるでしょうか。

ああ、一方で成長ストーリーのない銘柄はもともと外国人投資家が目を向けないから、買われもしないし売られもしない。なので今年は値段が動かないんですね。

居林:そうです。市場全体だとこの二層が交ざるから動きが読みにくかったのですが、分けて考えるとよくわかる。

もともと居林さんは業績悪化懸念による株価下落を予想していたけれど、個別に銘柄を見ると下がり方には大きなばらつきがある。原因は、本来の業績に比べて不合理なまでに海外投資家に売られた、トップパフォーム企業群……ということですか。

居林:そうです。なので、新年は、インデックス、相場全体というより、外国人投資家が売りすぎた銘柄を一本釣りしていくと、面白い投資ができるのではないか、というのが今回のメインのネタです。

氷が真ん中から溶け出した

なるほど、全体としては弱気だから、インデックスだとこれまでのような反発が期待しにくいけれど、個別に狙えば海外投資家による「売られすぎ」の銘柄があるぞ、と。面白い。しかし、なぜ海外投資家はそんなに慌てて手放したのでしょう。

居林:基本的には、世界中で買われすぎたものの修正が起きているのだと思います。米国市場でのFANG(フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル)の凋落も同じです。

 恐怖に支配された心理のなせる業ではないかと思います。常識的に言えば、人気が集まっていた銘柄は最後まで落ちない。普通は「氷は回りから溶ける」んです。真ん中からではない。少なくとも、業績が良い間は市場が悪くても優良銘柄はポートフォリオから外されないのが普通です。

 ところが今回は、本当に珍しく氷が真ん中から溶けるようなことが起きています。FANGもそうだし、任天堂、資生堂、ファナック、村田製作所、トヨタは言うに及ばず、優良銘柄が売られている。こうした企業の中には、業績が伸び悩んでいて業績予想が若干下方修正されている銘柄もありますが、株価の下落のスピードの方がずっと速いので、PERが急激に下がる、という現象になって表れています。