全5337文字

居林:今回は迷いに迷いました。

例のチャート(業績予想と株価の推移の比較。詳しくは第1回第2回の3ページを)はどうなっていますか。どれどれ。

居林:ご覧の通り、業績に比べて明らかに安いんですよ。市場は。

株価はさまざまな要因で動くけれど、最終的には業績の関数だというのが居林さんが一貫して言われていること。だから、株価が業績のトレンドラインを大きく下回る(上回る)ときは、「市場が短期的な理由で価格を付け間違えているから、逆を狙って買う(売る)」のが、市場でプロとして収益を上げる投資家のすべきことだ。でしたね。

居林:そうですね。だとすると買わない理由があまりない状況ですが、でも「企業業績はここから下がる」と思っているのは既に何回かお話しした通りです。おまけに、市場がずっと目をつぶってきた構造的な変化、具体的には米国を始めとする各国の中央銀行が張っていた、市場のセーフティネットが取り去られていることを意識しだした。

たしかに、2年近く前からずっと居林さんが言っていた状況が、ようやく現実だと認められつつあるような(「ヒーローは、そろそろ帰してあげましょう」)。

居林:昨年の今ごろは、未来に向けて悪い話が怖いくらいないよねという話をみなさんしていて、いわゆる「適温相場」でした。今は、投資のキーワードは「慎重」「ピークアウト」「ボラ(ティリティ)高まり」「金融政策変更」と、様変わりです。

 目先の、といっては失礼ですが、起きたニュースに目を奪われていた人たちが、構造論によって弱気になってきた。正しいと思いますし、もちろん同調するんですけれど。連載を始めたときは市場が上り調子で楽観論を唱える人が多いので、こちらは「基調は強いが株価は割安ではない。何かのイベントで下げたら取りに行け」とずっと唱えていたわけです。

楽観論が引いて、下がっても買いづらくなってきた

その状況が変わると困りますか。

居林:楽観論が強い間は「下値に突っ込んだら買う」が通用しやすかったのですが、空気が「金利上昇はまずい」と様子見、慎重になってくると、安いからと買っても戻らない可能性が出てきます。強気な人が減ると上がらないですから。

それはそうですね。こういうときはどうするんですか。

居林:こういうときは、時間軸が大切になります。株式市場がいつその材料を読み込むか、株価に反映し終えて「次」を探し始めるか、ですね。

いまは悪材料を消化しているところだと。でも、金利の動向を“消化”するなんてどうしたらできるんでしょうか。