「この銘柄は上がる」とみんなが買い、一服すると次に行く循環物色は、上げ相場が続く必須条件といわれています。逆に恐怖に囚われると、どれもこれも投げ売りしてしまう。これによって銘柄間相関が上がる。これをもってすれば「行きすぎ」が見える、というのが私の意見です。もちろん例外もありますが、投資家ならば見ていなければならない数字だと思います。

TOPIX500の個々の銘柄の相関関係と日経平均の推移
左軸は銘柄間の相関関係で、上に行くほど関係性が低い。右軸は日経平均株価(単位:円)

 この銘柄間相関は、今はごらんのとおり低い(グラフでは灰色のグラフが上に向かっている)。加えて、高いPERの株式だけが、さらに買われて高くなっている。去年の、2月8月は、原油価格低下やブレグジットの影響が過大に評価され、安い株がさらに売られて安くなっていました。ですから、これを買うチャンスだったわけです。

 一方、今年はというと。私は今年2月前から株式全体に対して警戒モードに入っています。高い株がさらに高くなる一方、米国景気はピークアウトしそうです。ニューテクノロジーのいくつかの銘柄に人気が集中しているのは、「ほかに行くところがない」ことが大きな理由と思われます。念のために言っておきますが、これは市場の銘柄選択についての分析であって、個別銘柄の業績について云々しているのではありません。

 全体としては市場に関してそういう認識があったうえで、マーケットが平穏で「なにをしたらいいんだ」というときは、会社研究の時期です。

凪の相場でやるべきことは?

 ここまでの連載は市場全体の話をしてきました。今回はそれを横に置いて(凪いでいるので。私の分析が正しければ下がると思いますが、時間がかかりそうです)、今日は「じゃ、そもそも銘柄ってどうやって選ぶんでしたっけ」というお話をしようかと思います。

 「ニュースに出たヘッドラインを次から次へと追いかけて……」も、ひとつのやり方なのですが、ニュースは毎日毎時間変わり、全部追いかけるのはプロの投資家でも無理です。大事なのは、何を考えてそういうニュースを見るのか。業界を選ぶのかに自覚的になることです。そうすれば、同じ時間を費やすのでも、効率がよく、意味がある使い方ができます。

 経営者の身になって考えてみましょう。たとえば、「いまは安定期」という企業ならば、まずは粛々とキャッシュを溜めることを考えるでしょう。あるいは、しばらく良くない業界もあるでしょう。ならばどうやって耐えるかを考える。業界自体に好況と不況との循環がある。それはそれでいいのです。

 好不況の波とは別に、重要なのは、企業や産業の構造自体の変わり目を逃さないことです。業界には5年か、10年くらいに一度は、転換期が訪れます。