我々の予想では、これらのイベントが、株価にポジティブな影響を与える結果となった場合だと、それぞれのイベントで日経平均ではプラス10~15%、ネガティブだとマイナス10~15%程度ずつ動くと見ています。

 このようにイベントが多く控えていることもあり、株価は今年の3月以降動きが止まっています。もちろん日々のブレはあるものの、円高や米国景気の不透明感などが言われる中でも1万6000円台をほぼキープしている。いまの株式市場は「日本企業の業績悪化と円高を相当程度織り込んだものの、次の展開が読めずに様子見を決め込んでいる」という状態だと思います。

 では、例によりまして、1年先の業績予想(純利益ベース)と、日経平均のグラフを重ね合わせて見てみましょう。

日経平均株価と日本企業の12カ月先の純利益予想推移
日経平均株価と日本企業の12カ月先の純利益予想推移
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 コンセンサス(各アナリストによる企業業績の先行きの総合値)は、為替予測を105~110円と前期に比べて円高進行を見込んでも、今期~来期は増益の可能性が高くなってきました。これは、2016年3月期に特殊要因で一時的損失が多く計上されたため、その戻りを見ているからです。

 2016年3月期の一時的損失というのは、「商社を中心とした特別損失の計上」「リストラ費用」そして「マイナス金利による運用難で、年金負債増加」などが、純利益の足を引っ張ったためで、この額をおよそ3兆円と見ています。これは、TOPIX500に登場する企業の純利益合計のだいたい1割に相当しますから、それなりのインパクトがあります。

 しかし、円高以外はどれも一時的なものです。2016年3月期は、会計上の損失の先出しが行われたという見方もできます。そして消費増税も延期になりました。

 ということは、2017年3月期の後半は業績の数字がぐっと回復してくる可能性が高い。特別なことが起きなければこの期間の純利益は10%の増益が見込め、為替のマイナス影響を見込んでも、今期は3%程度の業績の伸び、来期は4~5%程度伸びると見ています。

現状の株価は、高いか安いか…あれ?

 業績予想の赤いラインの下に、株価の青いラインが潜っている。つまり「買い」…と言いたいところですが、ここが難しいのです。

 たとえば2013年ごろからのように、業績の上昇がはっきりしたトレンドとして見える場合ならば、青い線(株価)が赤い線(業績)を潜ったら買い、上回ったら売りと考えれば概ねよろしいのですが、現状は日本の企業業績トレンドが変わろうとしている局面ですし、イベントが多く控えているので、今すぐ大きなポジションを取ることはお勧めできません(赤線と青線の位置関係の理由や、日本企業の業績トレンドについては前回をお読みください)。

 現状の株価は、企業業績に比べて高いのか安いのか。

 前回詳細にお話ししたPER(株価収益率、株価÷一株当たり純利益)で世界の株式市場を比較しますと、いま最も底堅いであろう米国市場は16倍、大荒れの中国市場は11~12倍、そして日本市場は14.5倍(日経平均ベース)。なんというか、フェアバリュー、つまり妥当というしかない感じです。いつも、若干ひねくれたことを言いたい私なのですが、今回は、市場の“意見”と、私の意見が珍しく一致しているようなのです。

 ということは、「今は株式市場にあまりチャンスはなさそうだ」ということを意味します。

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