投資家は、イベントが起きた時には「市場が過剰反応していないか」を考えるべきだと思います。その時こそ、リスクに見合ったリターンになっていることが多い。問題は、非常に多くの個人投資家の方が、「買いかな、と思ったんだけど、みんなが買っちゃだめだというから手が出なかった」とおっしゃることです。

 気持ちはよくわかるのですが、群れに付いていく時、そして群れから離れる時を自分で決めることが、ご自身の投資のスタイルにつながると思います。イベント時は、自らの投資スタイル・哲学が試されるときです。投資哲学と胃薬の話を昔しましたね。前回 もご紹介した、リーマンショック真っ只中でのウォーレン・バフェット氏のコラムは、まさにバリュー投資家の価値観を体現したものと言えます。

 さて、二つ目は、「では、何を持って投資の判断基準にするのか?」ということです。

 前回のコラムで私の投資原則を5つ挙げ(こちら)、私の投資スタイルがどのようなものかも述べました。このコラムをご覧の皆様の中にはこれから金融市場に参加する方もいらっしゃると思いますが、このコラム全体を通じて私がお伝えしようとしてきたことは、投資家には、特に個人投資家には、自分の投資スタイルが必要だ、ということです。

 「利益が出るものに投資する。それが自分のがスタイルだ」

 と、ノンジャンル(事実上のノンスタイル)が信条という方もいらっしゃるかもしれませんが、私は個人的には賛成できません。事業経営者の方には分かって頂けると思いますが、事業を始めようと思うときには全く知識がないことをいきなり始める人は少ないはずです。自分の中でこれは分かる、これは行ける、と思ったコト、モノに何らかの形でつながった事業を選ぶと思います。ひとたび、事業が軌道に乗って成長・拡大する時も、まったく別の事業を起こすより、関連事業で拡大していくのが常道でしょう。

学ぶためには「場数」、どう増やすかが課題

 なぜなら、事業にはつねに資金が必要であり、ライバルがいて、損益というごまかしの効かない成績が出てくるからです。「利益の上がりそうなものは何でもやる」では、事業でいえば拡大しすぎて、利益が上がっていても資金ショートを起こすかもしれません。投資であれば、多方面からの情報を判断しなければならず、間違いなく手に余ります。

 投資家にとって、投資スタイル、投資原則、勝ちパターンというのはとても大切です。そして、個人投資家は「投資を休める」という最大の強みがありますから、これを生かすために、「市場に入るタイミング」について、機関投資家よりももっと真剣に考える必要があると思います。

 次の問題は、では、投資スタイル(勝ちパターンと呼んでいる人もいます)をどのように確立するのか、になります。

 最近読んだ、あるエンジェル投資家の方の素晴らしいインタビューで(個人的に存じ上げている方ではありません)で、「投資も経営も、場数があれば誰でも成長できる」「しかし、場数が希少資源なので学びにくい」というお話がありました。このインタビューはVCの投資の話でしたが、金融市場での投資も「場数」は重要だと思います。

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